2001に死者の帰還を (ページ31)

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168話:運命の形ページ31

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ス「……終わり…？全ては「終わり」だって？」

ス「……！！…ローリング・ストーンズはどのような姿になろうとも誰かの運命の形を為す……にも関わらず、砕けて砂となった石が……何の形にもならずに…」

はっとして窓の向こうの三人を見た。
視線の先で一人の少女が振り返っている。

その力強い目線が自分の視線と交わった時、
彼女からただならない気配を感じた。

……まさか、彼女は死の運命を敵に回したのか…？
そのことを理解し、そしてブチャラティが死ぬという未来を見事に変えた…。

何者か知らないが…彼女らは「苦難への道」を歩み、そして誰一人命を落とさずに終わりを迎えるというのか。
キーとなるのは彼女のようだな。
彼女が……彼らを救うと。

……しかし……彼らは全員こうなのか…？
一人の仲間のために七階の高さから平気で飛び降りて石を破壊するとは…。

彼女らがこれから歩む苦難の道には何か意味があるのかもしれない。
彼女らの苦難が、どこかの誰かに希望として伝わっていくような…何か大いなる意味となる始まりなのかもしれない。

我々はみな運命の奴隷なんだ。
何かしてやってはあげられないが、
彼女らが「眠れる奴隷」であることを祈ろう。
目醒めることで何か意味のあることを切り開いていく、
「眠れる奴隷」であることを…

ス「A……」

キミは大きな力を持つ何かに魅入られてしまったようだな。
我々人間が運命から逃れることはできない。
だがその中でキミは「勝つ」……そう決心したのだろう。
周りの奴らの反応を見る限り、孤独な戦いに身を置いているようだが…

ス「キミは、どんな運命の奴隷であるのか…」