月光の白 <Road To Success> (ページ23)

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『……はっ！』

辺りはまだ暗かった。あまり時間はたっていなかったようだ。
どうして目が覚めたんだ、私。

『あら……おはよう』

赤「……」(汗

赤ん坊はだらだらと滝のように汗を流している。私は赤ん坊の目の前にうつ伏せで寝転がった。

『そんなに怖がらなくても大丈夫よ。私は何もしないわ』

赤「……何でだよ、俺はお前の敵なのに」

『あら！貴方話せるの！凄いわ！』

赤「おれは天才なんだ…！」

『そうなのね～。
……ねぇ貴方、お母さんは？』

赤「知らねぇ、多分捨てられたんだよ。
おれ、こんな不気味な見た目してるから」

『貴方、自分の見た目がコンプレックスなのね。
でも、そんなことないわ。貴方とっても素敵でキュートよ』

赤「……」

赤ん坊は一瞬目を見開いて、そして小さく笑った。

赤「……マニッシュ・ボーイだ。名前」

『私はA。A・サンドラよ。
よろしくね、マニッシュ』

特に攻撃の意思も無いようでその後は2人でただただお話をした。このおかげで私達はずいぶん仲良くなることができた。
そして分かったことは彼はとてもいい子だということ。、こ
んな子まで手下にしたDIOに一段と怒りを感じるが、表には出さないでおこう。

『さて、貴方はお母さんもいないし、SPW財団に引き取ってもらいましょうか』

マニ「……嫌だ、お前がいい…」

『まぁ…！
……私も、本当はそうしたいんだけどね。
貴方を旅に連れて行くことはできないし、きっともう、会えないと思うから……』

マニ「…………でも……それでもおれ、待ってるから…。
迎えに来いよ…」

私はうつむいた。

『…………うん……』

私はまた、守ることのできない約束をしてしまったのだ。