第45話 他意はない ページ46
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驚いて顔を上げれば、神威さんが私と同じくらいの目線の高さ。自分が羽織っていたマントを、優しげに頭に被せてくれる。
『神威さん、これ』
「顔が見えないように。一応ね」
1人で帰る私を心配してくれてるのだろうか。神威さんの体温で、まだ温かいマントをぎゅっと握りしめる。
見間違いだろうか。ほんの少し名残惜しそうな顔をして去ろうとする彼の服を遠慮気味に引っ張る。
『た、楽しかったです、今日……』
ただの会話なのに、やけに緊張した。銀時さんたちとのやりとりを思い出すが、神威さんの前ではそのいつも通りが今日は出来ない。
「……俺も、楽しかったよ。A」
伏せてた顔を覗き込むように見られ、いやでも視線がかち合う。その鮮やかな青に一瞬ドキリとする。私を見た神威さんは、小さく微笑むと背中を向けて行ってしまった。
神威さんは私を監視してるだけ。
彼がそばにいて、ここまでしてくれるのに、他意はない。
そう言い聞かせても、私の名前を呼ぶ神威さんを思い出してしまうのは、どうしてだろう。
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月夜の光(プロフ) - ありちゃんさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです(;o;)もっと上手に表現できるように頑張ります!ありがとうございます! (2021年2月28日 15時) (レス) id: e8dd5af318 (このIDを非表示/違反報告)
ありちゃん(プロフ) - 月夜の光さんの神威が好きすぎて他の作品見れなくなりそうです!!キュンキュンします(^^)更新楽しみにしてます (2021年2月27日 20時) (レス) id: 15fe9d02c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜の光 | 作成日時:2021年1月2日 22時