花が咲く頃に【wrwrd】 (ページ8)

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そんなゾムの様子が変わったのは私の就職が地方に決まって遠距離になってからだった。最初の頃は出来る限り連絡をしていたし、電話もしていた。会える時には会っていたけれど、繁忙期には会えない日が続いた。

そのうち、段々メールが返ってこなくなった。ゲームにはログインしているのに未読のままで返ってこなかったり、既読無視されたり、今までとは違って、明らかに距離が出来始めていた。

メールが減っていた事には気づいていた。でも、会えばまだ何とかなると思っていた。ゾムだって仕事がある、疲れていたからだって思うようにしていた。前向きに考えていないと不安で押し潰されそうだったから…。

そんな中、数ヶ月ぶりにお互いの休みが重なり会う約束をした。私は久しぶりに会えるのが嬉しくて、私は前日に嬉々としてゾムに電話をした。

｢ねぇゾム！久しぶりに会えるんだねぇ…嬉しい！｣

そういえば最近電話も出来てなかったなーと思い、久しぶりに聞くゾムの声を楽しみにしていた。

｢せやなぁ…俺も嬉しいわ｣

そう言ったゾムの声は私の想像とは違っていて、少し面倒くさそうな気だるげな声色だった。少なからず違和感は感じたけど信じたくなくて、

｢…ね！どこ行こっか？美味しいご飯屋さんとか行った後ショッピングとかしない？｣

と言った。今までなら賛同してくれて、話も盛り上がっていた食事の話題なら、ゾムも食いついてくれるかなって思ったけど、

｢せやなぁ…ちょっと疲れてるし、食事したら解散でええと思うんやけど｣

私の期待に反して、ゾムの返答は色の無いものだった。解散でいいかって、言われるなんて思ってなかったから、ショックだった。
次の日の予定もそこそこに、曖昧なまま電話は切れた。

｢もしかして、ゾムはもう私の事好きじゃないのかな…｣

認めたくなかった、ゾムの中の私に対する愛情が薄れているなんて…。
もやもやとした気持ちのままベットに潜り込み、不安を抑え込んで無理やり眠った。