花が咲く頃に【wrwrd】 (ページ22)

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【それでも、私は。/sha】ページ22

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「好きな女の子の髪型？俺サラサラのショート好きやわ」

つい先日彼が発したこの言葉が、私の頭から離れる事はない。

その時はノリで聞いただけやった。
私はあなたが好きやったから。

でも、背中まで伸びた髪を持つ私には、ぐさりと奥深くまで刺さる言葉。
お前は対象外だと言われているようなものだ。

家から出てすぐのとこ、目の前にある公園。
そこが毎朝私とシャオロンが待ち合わせしてる場所。

珍しく先に来てたらしい彼はベンチに座って眠そうにしていた。

「おはよ、シャオロン」

「ふぁぁ…はよ、A」

小さい欠伸をして私達は並んで歩き出した。
高校生にもなって男女で登校するのも不思議だけど、これは小学生の時からの“習慣”なんだ。

互いの家まで歩いて数分、親同士も仲が良い。
そんな私たちは小さい頃からずっと一緒。
お互いの事は、何でも知ってるはず"だった"。

小さい頃は唯のうるさい子供だったはずなのに、今では持ち前の見た目のかっこよさと明るい性格、しかも野球部のエースという完璧モテモテな男子高校生だ。

私みたいなどこにでもいる平凡な人間とはとんだ大違い。

まあ、そんな見た目とかカーストを気にしないで誰とも対等に接するとこも好かれてるんだけど。

『そういえば昨日先輩に告白されたらしいやん。しかも美人って噂の。』
「はっ、おまっ、何で知っとんねん！」

あんたのことなんて嫌でも耳に入ってくるんよ。
みんなの、"人気者"なんやから。

『で、OKしたん？』
「してへんで」

ふーん、と返せば全然興味ないやんけ、と笑われた。
内心はほっとしつつも、やっぱり私も唯の友達にみられてるんやろなぁ。

「そういえば今日ポニーテールじゃん。」
『うん、なんとなくだけど。』
「俺Aのポニテ好きやわ。尻尾みたいで可愛いし、首のとこがエッ……な、なんでもないっす」

ジト目で睨んでやれば黙ったが、男なんてみんなこんなものだ。
とかいう私もそれを知ってて面倒なポニーテールにしてるから、意地悪いんやろな。

学校の手前の坂につくとばいばいと手を振って別れる。
それが高校から追加された私達のルール。
その後はお互いの友達と登校する。

が、

今日は何故か私に着いてきた、というよりは私の先にいる親友に向かっている感じだった。
なんで、って聞こうとすると既にシャオロンは喋っていた。

「昨日ほんまありがとう！」

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