花が咲く頃に【wrwrd】 (ページ1)

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【椿の花が落ちる/os】ページ1

ぼとり。

椿の花は花弁を散らさない。

その様子は綺麗なまま永遠の眠りにつくようで儚く、美しい。

そんな椿はまるで彼女のようだ、と誰かが言った。

「椿だって、私そんなに上品な女に見えるかな？」

ふふ、と笑いながら問いかける少女に、青年は言った。

「絶対人違いやろ。Aみたいなじゃじゃ馬はどちらかといえば雑草やん。」

「な！？そんなにいう！？」

「18にもなってこの前窓から病院抜け出してこっぴどく看護師さんに叱られとったんは誰や？」

くぅ...否定できないのが悔しい。

確かにおしとやかな女の子ではないのは自覚がある。

最近では病院にいる子供たちとはしゃいでたら怒られたり、他の病室でおしゃべりしてたら安静にしておきなさいと連れ戻された。

「うぐぐぐ.....だって、ずっと同じ病室で寝てるだけなんてつまんない！退屈なんだもん！」

小さい頃から入院していて、親は仕事が忙しくてなかなかお見舞いにも来ない。

そんな私にとって幼なじみのオスマンは毎日お見舞いに来てくれて、本当の家族よりも私の家族だ。

まぁ、正直？凛としていて、かつ儚いオーラがあって、誰にでも優しいオスマンは私より椿が似合うと思う。

私にはあんまり優しくないけど！
妙に気取ったりしないし、病気のことで可哀想とか同情しないから、とてもいいやつだ。