【自然に満ちたこの地で】白菊たちは何を見る。【本編】 (ページ2)

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2.やる気は十二分にある【ネリ】ページ2

「バトル大会だってぇ！？」
　ポケモンセンターにて手持ちのポケモンを回復してもらい内設されたフレンドリーショップで回復道具(かいふくのくすり)を大量購入している時にそのアナウンスは入った。
　カントー生まれアローラ、ガラル育ちの(一応)マサラ人であるネリは人の目も気にせず今日一番の声をあげた。
「ヴォン！」
　隣にいたウィンディ(ウィル)が五月蝿いぞー。と言うように自分の右前足をネリの横腹に向かってテシテシと叩いてきた。
　ネリはハッとなり「スミマセン……」と肩を落とし萎れそのスキにウィルがバックから器用にネリのスマホロトムを取り出し変わりに会計をして欲しいと言わんばかりにロトムにヴォンヴォンと鳴いていた。
　ロトムは納得したように返事をするとテキパキと会計を済ませる。
店員から買い物袋を貰ったウィルはそれを口に加え早く出よーよー！と言わんばかりにネリの背中を顔で押した。
　ネリはウィルに押されていることに驚きそのままポケモンセンターから出ていってしまった。

「ちょーっとー！ウィル！ロトム！酷くない？！」
ポケモンセンターの近くにあった公園のベンチに腰掛けたネリは目の前でおすわりをし口から買い物袋をぶら下げたウィルに文句をいった。
「いや、これはネリのせいロト」
「ヴォン！」
　横にいたロトムに突っ込まれ口から袋をぶら下げたまま器用にスマホロトムの意見に肯定するかのように吠えたウィルを見てネリはガックシと肩を落とした。
「ヴォン！」
　持ってやったんだぞーはよ受けとれーと言わんばかりに吠え、袋をグイグイとネリの俯いた顔に近づけた。

「うー……ありがと。ごめんね」
　ネリは袋を受けとりウィルの顔を撫でくり回した。ウィルは機嫌良さそうに１つヴォンと吠えるとそのままネリの指示が出るまでじっと待機をし始めた。

「で、結局どうするロト？参加するロト？」
「あー……どうしよー……でも、フウが主催だしなぁ……」
　うーんうーんと呻きながらネリは考える。

　数分後。

　ネリはウィルをボールに戻し立ち上がり伸びをした。
「んー！よっし！決めた！」
　にっとロトムに向かってこう言った。
「出るよ！トーナメント！出るなら優勝だよ！」
　そう言うとロトムも頷いた。
「よーし！残りの三ヶ月間！修行すっぞ！目指せ優勝！」

　そう言いながらネリは荷物を背負い歩き始める。

　これが大冒険の始まりになるとは本人は知るよしもない。