クール ページ1
〈雄登サイド〉
俺は毎日、家が隣、席も隣のAと登下校している。
雄登「ほら、早く帰るぞ。遅い。」
「あー、ごめんなさい！だから待ってー！」
廊下の向こうの方から急いで走る君。
雄登「A、後ろ見て。何か落とした。」
「え？ホントだ！ありがと。」
雄登「はいはい。」
なんて、クールを演じながら、心の中で悶える俺はいつになったら好きって言えるかな？
「あれ？靴がない？どこにいったんだろ？」
あれ〜？なんて探し回ってるけど、靴箱間違えてるし。
雄登「遅いって。てか、それAの靴箱じゃ無いから。」
「えっ？あっ、ほんとだ。だからかー。」
雄登「A、今日俺ん家来るんでしょ？」
「行っていいの？やった！」
雄登「じゃあ、早くしろよ。家でゆっくり出来ねぇじゃん。」
「分かった！急ぐ！」
あーあ。もっと優しく出来ないのかな？
帰り道
「ねぇ、きいて！今日ね、体育でバレーしたの！そしたら、腕が真っ赤になっちゃったんだー！」
ほら、見てーって見せてくるけど、腕よりもAの笑顔の方に目がいっちゃうんだなー。
雄登「へー。楽しかった？」
素っ気ない返事も照れ隠し。
「もちろん！でもね、サーブが強くなりすぎちゃって、朝田さんが突き指しちゃった。」
急にシュンとなるかお。素直で表情にすぐ表れるのもAの可愛いところ。
雄登「へー。」
「雄登は？体育何したの？」
雄登「俺らは、サッカー。」
「サッカー楽しかった？」
雄登「まあな。」
「まぁ、雄登は足速いし、体力もあるからねー。シュートも決めたんでしょ？」
雄登「うん。」
「さすがだね！雄登はモテる要素いっぱいだね。」
いや、俺はAに好きになってもらえれば良いんだけど。他の奴らはどうでもいいし。
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作者名：瑳紅羅 | 作成日時：2019年2月9日 15時
