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若干引き気味に返されてショックを受けるが、弟のように可愛い莉犬がわざわざ心配して迎えに来てくれるなんて嬉しくない訳がない。
でもこういう時、女の子扱いされたら照れるのが普通なのかもしれないが、今更莉犬に対して照れるとかドキドキするとかそんな感情は抱けなかった。
『今更莉犬に照れることはないかな』
「んだよ、可愛くね〜」
『莉犬は可愛いよ』
「…とにかく寒いし行こ!」
毎度のごとく莉犬と言い合いしたりからかってみたりしながら、2人で駅へと歩みを進めた。
ーーー
『よかった〜今日は結構空いてる』
「え…普段もっとやばいの?」
『だって座席とか座れないもん。帰宅ラッシュなめらんないよ』
2人で電車に乗り込み、今日は比較的空いていてラッキーと思っていたら、どうやら莉犬はこれで空いているという事実に驚いているらしかった。
『…?莉犬座んないの?』
「ん〜俺は立ってる〜。てか見て、つり革の位置、前より頭と近くなったんだよ!」
『お〜すごい〜!二十歳過ぎても伸びるんだね』
「このままAも抜かすわ」
『え、それは困る!撫でづらくなる!!』
2人で乗る電車はいつもの半分以下の体感時間で、気づけば降りる1つ前の駅に停まっていた。
するとぞろぞろと人が流れてきて、先程まで幾つか空いていた席もすぐに埋まってしまった。
(やっぱり今日も満員か…)
今日は座れただけマシだったなと考えていたら、急に車体がガタンと傾いた。
「っぶな〜、大丈夫?」
『私は大丈夫だよ、座ってるし。莉犬のほうが危ないよ!』
そう言いながら、ふと先程まで無かった温もりを左手に感じて目をやると、莉犬が自分の手を上からそっと重ねていた。
どう考えてもそれは、人がぶつかるなどして衝撃が加わらないように守ってくれているようにしか見えないわけで…
(え、座らなかったのこのため…?)
「ん?どしたの?」
先程「今更照れない」と断言してしまった以上は言えない。でも、目の前で少し低くなったつり革を持ちながらこちらを見下ろしているいつもは可愛い彼が不覚にも、
今日はちょっとだけ…
“かっこいい”なんて思ってしまった
ーーーーーーーーーーーーーーーー
まだこのお話は続きます。
更新をお待ちいただけると嬉しいです!
ちなみにつり革エピソードは莉犬くんが放送で前に話してた気がしたので入れてみました…!(違ったらすみません…)
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つばさ - とても楽しかったです (7月5日 6時) (レス) @page47 id: dd93105dfa (このIDを非表示/違反報告)
あや - 久々に観に来ました!何回見ても飽きないです!ここまでお疲れ様でした! (2022年8月15日 13時) (レス) id: 7e40220ef6 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - 野菜さん» 申し訳ありません…。現在リクエストは締め切ってしまっていまして、この話は「骨折」で終了する予定なんです…。ですが、続編を作る予定ですので、少し先になってしまうかもしれませんがそちらで書かせて頂きたいと思います!リクエストありがとうございます…! (2020年1月12日 2時) (レス) id: c18b45fe4f (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - さきさん» わ〜凄くわかります!!あの眠くなっちゃう現象は何でしょうね…?やっぱり安心する声だからでしょうか…! (2020年1月12日 2時) (レス) id: c18b45fe4f (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - 海月さん» 温かいコメントありがとうございます…!少しずつですがこれからも頑張りますので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年1月12日 2時) (レス) id: c18b45fe4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか | 作成日時:2019年9月20日 0時