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「あれ!まだ起きてたの?」
そう言って彼が近づいてくる。
「お疲れさま」
そう声を掛けたものの、眠気で上手く頭が働かない。
莉犬くんが側に寄ってきて、未だ片耳にイヤホンを挿したままの私に「何聞いてたの?」と尋ねて配信画面のままのスマホの画面を覗き込んできた。
「え、俺の放送聞いてくれてたの?!」
驚いた声を出す莉犬くんに、今日くらい素直になってみようと今までの秘密を言うことにした。
「今日だけじゃないよ。本当はいつも聞いてた。だって………リスナーさんに嫉妬、しちゃうんだもん。私が知らない莉犬くんを知られるのは…嫌だから」
そう伝えると、莉犬くんは顔を赤く染めている。
良いか悪いか、一度素直になった口は止まらない。今までは恥ずかしくて言えなかった本音が嘘のようにスラスラと出てくる。
「莉犬くんは、やっぱり甘えてくれる子のほうがいい…?好きなタイプ、変わったのは何で?」
そういうと「そこも聞いてたのか」と困ったように頬を掻いてそう言った。
「勿論、甘えてくれたら嬉しいよ…?でも俺ね、大前提は…好きになった子がタイプだよ。クールな子っていうのは元は哀ちゃんだからね…俺アニメ好きだしリスナーさんわかりやすいでしょ?」
「じゃあ…好きなタイプ変わったのは?」
「あ〜……それはその…メンバーがさ?時々俺の放送見てるらしいんだよ。そしたら、俺が好きなタイプの話でさくらに重なるようなこと言ったら『惚気か?』ってあいつらからかってくるんだよ……。だからさくらと正反対のタイプ言ってみるかって思ってたら、何人かリスナーさんでさっき言ったような子を見つけたから、言ってみただけ」
そう言って私の頭に手を乗せてゆっくり撫でてくる。
「もしかして…嫉妬しちゃった?ふふ、可愛い。俺が好きなのはさくらだけだから、安心して」
欲しかった言葉を全て言ってくれたのが嬉しくて、思わず莉犬くんに抱きついて今の素直な気持ちを口にした。
「……大好き」
「…っ、ねぇそれはずるいって…!」
「ふふっ」
顔を真っ赤にしている莉犬くんを見て、いつもと逆なのが面白くて笑ってしまった。
ーーーーー
〜後日談〜
放送でまた好きなタイプの話になった。
「恥ずかしがり屋で普段は甘えてくれないけど、たまに突然甘えてくれるような子…かな」
この間の私をそのまま説明したようなことを話され、リビングで一人顔を赤くしたことはきっと莉犬くんにはバレバレなんだろうな……。
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もなか(プロフ) - ストーンさん» いえいえ、ありがとう!頑張るね…! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
ストーン(プロフ) - 私のあんな簡単なリクエストがこんなにいい作品になるなんて......ありがとうございますっっ!次の更新も楽しみにしてるね! (2019年9月11日 16時) (レス) id: 29a2f5b542 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - ストーンさん» 私は全然外してもらって構わないです!でも中々慣れなくてたまに敬語に戻っちゃうかもですが…笑 (2019年9月10日 18時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
ストーン(プロフ) - 把握です!わざわざありがとうございます!敬語外しません?((馴れ馴れしいですかね... (2019年9月9日 22時) (レス) id: 29a2f5b542 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - ストーンさん» 何回でも大丈夫です!ですがあまり多いと一応掛け持ちしているので遅くなってしまうかもしれないのでそこは申し訳ないです…。 (2019年9月9日 22時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか | 作成日時:2019年8月15日 1時