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38(莉犬side) ページ42

寝室に入り、さくらを静かにベッドに下ろす。

もう一度さくらを見ると、やはり顔は真っ赤で汗もかいてるっぽい。着替えさせた方が良さそうだ。

取り敢えず熱を測ろうと脇に体温計を挟ませる。相当しんどいのだろう。いつもは何でも自分でやろうとして全然甘えてくれないのに今日はされるがままだった。


ピピッ


(38.6℃…)

そこにはかなり高い数字が示されていた。


(冷えピタあったかな)

そう思いながら諸々の物を取りに寝室を出るため、黙って行くのもどうかと思い一応声を掛ける。


「冷えピタと着替え持ってくるね。あ、飲み物も持ってこようか」

そう言って背を向けると、くいっと服の裾が引っ張られる感覚がして後ろを向く。

(…可愛い)

きっと行かないでというサインなのだろうが、直接聞きたくてわざと聞いてみる。

「ん?どうした?」

「…何も要らないから、行かないで」

そういうと泣き出してしまった。いつもなら簡単に泣くことはないのに、風邪を引いたことで涙腺まで緩くなっているらしい。


「わかったよ。もうどうしたの〜?泣いたら辛くなっちゃうよ?ほら、ぎゅー」


そう言って一緒にベッドに入り、苦しくない程度に緩く抱き締めて頭や背中をゆっくり撫でる。いつもより体は熱く、汗をかいて少ししっとりとしている。


暫くすると、安心したのか俺の服をぎゅっと握りながら眠ってしまった。

起こさないように握られている服を離し、静かに寝室を出て冷えピタだけを持ってまた戻る。前髪を分けておでこにそれを貼ると、一瞬きゅっと顔をしかめてまたスヤスヤと寝息を立てた。

(早く楽になりますように)


ーー
ーーー

次の日、俺の隣で目を覚ましたさくらの熱はすっかり下がっていた。

「下がってよかった〜」と昨日のようにぎゅっと抱き締めながらそう言うと「恥ずかしいから」といつも通り顔を真っ赤にして腕からするりと抜けてしまった。




(不謹慎だけど……風邪引いて素直なのも可愛かったな)

昨日のさくらを思い出して、また俺まで顔を赤くしていることを彼女は知らない。

ーーーーーーーーーーーーーーーー
ストーンさんのリクエストで、
『珍しく甘えてくる夢主ちゃんと、それに照れる莉犬くん』でした!

勝手に風邪の設定を加えて書かせて頂きました…!

もう少しで続編いこうかな?とも思っているのですが、引き続きリクエストはお待ちしております。

もなか

39.放送→←37.風邪(リク)



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もなか(プロフ) - ストーンさん» いえいえ、ありがとう!頑張るね…! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
ストーン(プロフ) - 私のあんな簡単なリクエストがこんなにいい作品になるなんて......ありがとうございますっっ!次の更新も楽しみにしてるね! (2019年9月11日 16時) (レス) id: 29a2f5b542 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - ストーンさん» 私は全然外してもらって構わないです!でも中々慣れなくてたまに敬語に戻っちゃうかもですが…笑 (2019年9月10日 18時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
ストーン(プロフ) - 把握です!わざわざありがとうございます!敬語外しません?((馴れ馴れしいですかね... (2019年9月9日 22時) (レス) id: 29a2f5b542 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - ストーンさん» 何回でも大丈夫です!ですがあまり多いと一応掛け持ちしているので遅くなってしまうかもしれないのでそこは申し訳ないです…。 (2019年9月9日 22時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もなか | 作成日時:2019年8月15日 1時

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