37.風邪(リク) ページ41
朝起きたときから喉が痛く、少し体も怠かった。
幸い今日は休日で、大学も休みなので家でゆっくりすれば治るだろう。
しかし、土日関係なく仕事が入る莉犬くんは、今日は朝から夕方まで皆でレコーディングなどの仕事が入っている。
体調の悪い私を置いていくのは心配だと中々家を出ようとしなかったが、皆に迷惑を掛けるわけにもいかないので「私は大丈夫だから」と言って半ば無理矢理家を追い出した。
そして今は昼過ぎ。
朝よりも重くなった体は動くのも億劫で、昼食をとる気にもなれず、寝室に移動して寝ることにした。
しかし、面倒なことに風邪を引くと心まで弱くなるらしい。
夜同じベッドで莉犬くんと一緒に寝るようになって暫く経った今、そのベッドに一人で入るとどうしようもなく寂しさを感じて、再びリビングに戻りソファーに横たわった。
(早く帰ってこないかな…)
孤独で涙が一筋落ちる。
そのまま私の意識は途絶えた。
ー
ーー
ーーー
莉犬side
(さくら大丈夫かな…)
思っていたよりレコーディングが長引いてしまい、急いで帰路につく。
慌てる気持ちで思うように鍵が鍵穴にはまらず、多少イライラしながら玄関の扉を開ける。
「ただいま〜、さくら寝てる…?」
寝室かなと思いながらリビングに入ると、ブランケットも何も掛けずにソファーに横たわるさくらを見つけた。
朝よりも顔が赤く息も荒くて辛そうだ。
このままソファーで寝ていても良くならないだろうから寝室に連れていこうと、さくらを軽く揺さぶって出来るだけ優しく起こす。
「さくら〜帰ってきたよ、遅くなってごめんね。ここだと余計しんどくなっちゃうからベッド行こ?」
「………んぅ、莉犬くん…?」
「そうだよ、ただいま。」
「…寂しかった」
いつもは滅多に自分から甘えてくることがないさくらの口からそんな言葉が飛び出し、嬉しいけどちょっと調子が狂う。
「一人にさせてごめんね。ほら、ベッド行こ?おいで」
そう言うと、これまた素直に手を伸ばし俺の首に腕を回してきた。
自分から促しておいて少し照れてしまう。
対するさくらはとても辛そうで俺の顔なんか見えていないだろうけど、赤くなった顔がバレないようにしながらさくらを抱っこしてベッドまで連れていった。
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もなか(プロフ) - ストーンさん» いえいえ、ありがとう!頑張るね…! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
ストーン(プロフ) - 私のあんな簡単なリクエストがこんなにいい作品になるなんて......ありがとうございますっっ!次の更新も楽しみにしてるね! (2019年9月11日 16時) (レス) id: 29a2f5b542 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - ストーンさん» 私は全然外してもらって構わないです!でも中々慣れなくてたまに敬語に戻っちゃうかもですが…笑 (2019年9月10日 18時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
ストーン(プロフ) - 把握です!わざわざありがとうございます!敬語外しません?((馴れ馴れしいですかね... (2019年9月9日 22時) (レス) id: 29a2f5b542 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - ストーンさん» 何回でも大丈夫です!ですがあまり多いと一応掛け持ちしているので遅くなってしまうかもしれないのでそこは申し訳ないです…。 (2019年9月9日 22時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか | 作成日時:2019年8月15日 1時