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「ねぇさくら、ちょっとこっちきて」


ソファーに座る莉犬くんに声を掛けられる。
心なしかいつもより少しだけ声が低い気がする。


疑問に思ったが莉犬くんのもとに歩み寄る。


刹那


腰に腕がまわされ体が引き寄せられる。

急なことに対応出来るはずもなく、バランスを崩し莉犬くんのほうへダイブしてしまった。


急に酔いが覚めた。

先程まで酔いで赤かった顔が、今度は別の意味で熱を持ち赤くなる。

「あの、莉犬くん…?」

普段ならいきなりこんなことはしてこないし、ずっと黙り込む彼に疑問を持ち話しかける。


「……に……………しい?」

「え?」

「そんなに…あいつらといるの楽しい?」

「…?たの、しいよ?」


質問の真意がわからず、思っていることをそのまま答えた。



「…っ?!」



急なことで、何が起こったのか理解が出来なかった。

唇に、感じたことのない柔らかい感触。

目の前には莉犬くんの顔、が、。

(キス……された…?)


ほんの2秒程で唇は離れ、すぐさま抱き締められる。…いつもよりほんの少しだけ強い力で。

そして莉犬くんは口を開いた。


「さくらは俺じゃ不満なの?俺のなのに…っ」

肩を掴まれ、また体が離されたかと思うと、莉犬くんは首もとに顔を埋めた。
首筋に髪の毛が当たって擽ったい。

自分でも何処にそんな余裕があったのかはわからない。
でも以外にも冷静な頭で色々なことを考える。

「!ぃっ…………た」


すると、首筋にチクリとした痛みが走った。

恋愛経験が人一倍乏しい私でもわかった。
世間一般で言う『キスマーク』をつけられたのだと。


「ねぇ…っ、莉犬く」



莉犬くんが首筋に吸い付く音だけが部屋に響く。彼は終始無言。

(何を考えてるのか、わかんない…っ)


いつも第一に私のことを考え、怖がるようなことは一切してこなかった莉犬くん。

そんな彼にいきなり初めてのキスをされ、無言でキスマークをつけられ続け、不安だけが募る。

(こわい)

いつもと違う彼に、不安と恐怖が限界を迎え、泣きたくもないのに涙がこぼれた。


「あっ……ご、ごめん!」


莉犬くんが慌てて私を抱き締め頭を撫でる。
いつもの優しい声に戻った彼に安心して体を預ける。


「怖がることして、ごめん。でも、あいつらが妙にさくらにベタベタするし、さくらも楽しそうにしてたから、その……し、嫉妬した……」

「えっ……嫉妬?」


想像していなかった言葉が放たれた。

--------
文字数関係で区切り悪いですが…

22→←20.嫉妬(莉犬side)



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もなか(プロフ) - ストーンさん» いえいえ、ありがとう!頑張るね…! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
ストーン(プロフ) - 私のあんな簡単なリクエストがこんなにいい作品になるなんて......ありがとうございますっっ!次の更新も楽しみにしてるね! (2019年9月11日 16時) (レス) id: 29a2f5b542 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - ストーンさん» 私は全然外してもらって構わないです!でも中々慣れなくてたまに敬語に戻っちゃうかもですが…笑 (2019年9月10日 18時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)
ストーン(プロフ) - 把握です!わざわざありがとうございます!敬語外しません?((馴れ馴れしいですかね... (2019年9月9日 22時) (レス) id: 29a2f5b542 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - ストーンさん» 何回でも大丈夫です!ですがあまり多いと一応掛け持ちしているので遅くなってしまうかもしれないのでそこは申し訳ないです…。 (2019年9月9日 22時) (レス) id: 3ccd8a0edd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もなか | 作成日時:2019年8月15日 1時

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