検索窓
今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:34,463 hit

Episode2-2 ページ10

「結月、結月ッ!」

すぐに駆け寄って名前を呼んでみると、
掠れた声で『お父さん…?』と口にした。

意識はまだなんとかあるみたいだ。

『約束、破っちゃった…』

とものすごく悲しそうな顔をするもんだから、
胸がギュゥゥと締め付けられる。

それと同時にやはりこういう運命だったのか、
なんて思ってしまう。


「なんで恵はそんなポーズで固まってんの?」

「あの小さいヤツに、"呪言" をかけられたんですよ!」

2人の会話が耳に入って、やっと状況を把握できた。

何があったかは分からんが、結月があの能力を
使ってしまったようだ。

使って欲しくなかった、あの能力。

できれば普通の一般市民として、このまま
すくすくと呑気に平和に育って欲しかった。

血生臭いこの世界から、できる限り遠い場所で
幸せに笑いながら、愛する人たちと
生きて欲しかった。

その力がどれだけ人の役に立とうとも、
僕は息子の幸せだけを願ってこの世界から
遠ざけたかった。


でも……。

「僕との約束を破らなくちゃいけないくらい、
とても "悠くん" を愛しているんだね」

息子の成長を実感しつつ、僕は結月の頭を
優しく撫でて

「もう大丈夫だからね。"ネムレ" 」

と囁いて、彼におまじないをかけた。

結月はスッと瞼を閉じてすぐに眠りへと
落ちていった。

ゆっくり休んで回復してね。

これからのことは後でゆっくり考えよう。


結月の安全を確保して、さとくんとめぐくんの方に
視線を戻すと、さとくんが楽しげに笑いながら、
結月のおまじないによって固まっている
ボロボロのめぐくんをスマホで撮影していた。

「さとくん、いい加減解いてあげてよ」

と声を掛けると、

「はいはーい、五条悟にお任せあれ〜」

と何とも緊張感のない返事が返ってきた。

彼がめぐくんの体に触れた瞬間、白い光が一瞬
めぐくんを包んで、パリンと何かが割れる音がした。

無事めぐくんにかかった術は解除されたみたい。

めぐくんは驚いたように目を見開いて、
説明を求めるように僕とさとくんを交互に見る。

Episode2-3→←Episode2-1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
91人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 男主 , 虎杖悠仁,五条悟,伏黒恵   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:天然水。 | 作成日時:2022年2月27日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。