Episode1-4 ページ6
力が入らず崩れ落ちそうになった俺の体を、すぐ後ろにいた悠くんが、受け止めてくれた。
そして、俺の体を軽々と持ち上げて
血ィ流してるヤツのすぐ近くに、ソッと下ろす。
「結月は俺が守るから」
その瞳は真っ直ぐで、でも何かに
囚われているようにも見えた。
彼の、おじいちゃんの言葉が、俺と一緒で
耳の奥から離れないんだろ。
悠くんは俺たちに背を向けて、1人で立ち向かう。
俺の攻撃を受けたデッカいヤツは、
視界が回復したのか真っ直ぐ悠くんに
照準を定める。
ヤツのスピードは多少落ちたものの、悠くん
1人でどうにかできるレベルではなさそうに見えた。
結局…俺は何もできない…。
足が震えて立つどころか、今度は体の至る所に
痛みが広がっていくような気がした。
ヤダ、ヤダよ!
自分の体なんてどうでもいいから、早く悠くんを
助けるために立ち上がれよ!
誓ったじゃねえか、俺が悠くんを守るって!!
隣にいた知らないヤツも、相当なダメージを
負っているのか立つことが出来なさそうだ。
悠くんの方を見て、必死に頭を巡らせているが
どこか諦めの色もチラチラと見える。
俺とヤツが何にも出来ずにいるうちに、
悠くんがあのデッカいヤツに捕まって……
なんとか足の力だけで食われまいと抵抗している。
『悠くん!!』
俺は彼の名前を叫びながら、這うようにして
何とか加勢しようと試みた。
すると……
「あるじゃねえか。全員が助かる方法!」
そうハッキリした声で悠くんが言った。
何かが彼の口に吸い込まれていく。
「やめろ!やめろーーーーッ!!」
知らないヤツの声がやけに大きく聞こえた。
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作者名:天然水。 | 作成日時:2022年2月27日 10時