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Episode5-3 ページ36

暫く宿舎内を歩いていると……下半身がぐちゃぐちゃになった人間を発見した。

その残虐さに思わず吐き気が込み上げてくる。

間違いなく呪霊の仕業。

特に臆する様子もなく近づいた悠くんが、
彼の服を掴んでピタリと動きを止めた。

恐らく…外にいた人の息子だったのだろう。

「この遺体、持って帰るよ」

悠くんがそう言ったのを皮切りに、
めぐくんとの言い合いが始まった。


悠くんは…優しすぎるんだよ…。
全部全部救おうとしすぎるんだよ。

でも俺たちはそんな万能じゃない、最強じゃない。

きっと、目の前の人たちを救うことで精一杯で、
何なら自分の身を守ることで精一杯なんだよ。

めぐくんはきっとそれを理解してる。

自分たちが救える範囲の人をできるだけ救って、
ある程度の取捨選択をしてる。

悠くんの気持ちもわかるけどさ、俺たちは
神様じゃないし、命は1つしかないし、
限界はあるんだよ。

だから俺は極端かもしれないけど…
自分の大切な人しか救わない。
いや、救えないんだ。

でもその代わり、大切な人たちは
自分の命に代えてでも絶対に、守る!!


「いい加減にしろ!」

遂に痺れを切らした釘ちゃんが2人を止めに入った。

「少しは時と場所を弁えたら…」

そう言った釘ちゃんが、床に沈んでいく。

『釘ちゃん!!』

彼女の近くにいた俺は咄嗟に釘ちゃんの手を掴んで、一緒に床に吸い込まれた。

落ちていく瞬間感じた強く濃い嫌な気配。

しまった!あっちが本命だ!

恐らく "特級" に相当する呪霊だ。

俺がいても何ができるかはわからないけど、
一刻も早く悠くんとめぐくんに合流しなきゃ。

2人なら大丈夫だと信じたかったけれど、
相手が相手だから、と冷静な自分がいた。



落ちた先は真っ暗闇。

俺は絶対に釘ちゃんの手を離すまいと、
ギュッと強く握りなおす。

「ちょっと痛い!」

釘ちゃんの少しイラだった声がした。

『あ、ごめん。はぐれちゃったら困るから、つい』

そうここではぐれちゃったら、合流するのには
骨が折れる。
(あと暗いの怖いって気持ちもなくはない…。)

カラクリ屋敷みたいなこの環境で、
再び合流するのは至難の業に思えた。

でも…めぐくんの方には玉犬がいる。

あの子がいれば、きっと俺たちを探し出して
くれるだろう。

もちろんこちらからも探す術は、ある。

玉犬ほど正確ではないだろうけど。

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設定タグ:呪術廻戦 , 男主 , 虎杖悠仁,五条悟,伏黒恵   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:天然水。 | 作成日時:2022年2月27日 10時

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