【呪術廻戦】愛でしかない (男主) (ページ20)

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Episode3-7 ページ20

『あ、そうだ。さとくん、甘いもの
いっぱい買ってくれるんだよね？』

意識が薄れていく途中に聞こえたさとくんの言葉は
しっかり覚えてる。

間違いなくさとくんは俺に謝りながらそう言ってた。

「もちろん♪僕は嘘なんてつかないからね」

と楽しげに笑って

「明日時間があるから、それまで楽しみに待ってて」

と言って口角を上げた。

『うん、わかった』

さとくんは俺と一緒で甘いもの好きだから、
きっと美味しいものたくさん知ってるんだろうな。

東京は仙台に比べて、お店の数も人の数も……
呪いの重さも…桁違いなんだろうな…。

そう思うと、少しだけ明日のことが憂鬱になった。

なんだか複雑だ……。

そのあと、充てがわれた寮室に案内して
もらったんだけど…

『やだ、悠くんと同じ部屋がいい！』

「部屋はいっぱい余ってるんだから、
1人ずつ広々と使いなよ」

俺とさとくんは言い争っていた。

…というよりも、俺が一方的にわがままを
言っている。

『悠くんのそばにいないと不安なの！
もうどこにも行ってほしくない』

怖いんだよね、あの時からずっと。

俺が一瞬目を話した隙に、悠くんが得体の知れない
大きな流れに飲み込まれて、どこか遠くに
行っちゃいそうで。

さとくんじゃ話にならない、と今度は悠くんに
訴えかける。

『悠くん、俺と同じ部屋じゃ嫌？』

上目遣いを発動させて、ちょっとズルい聞き方を
してみた。

こうするとほぼ100%悠くんは、俺のわがままを
聞き入れてくれる。

今も葛藤するようにプルプルと拳を震わせて、
俺の目を真っ直ぐに見つめてくる。

『ねえ、悠くん』

ダメ押しでちょっと甘い声で呼んでみる。

「だぁーーーー！わかったわかった！
先生、ここにもう一つベッド置けないかな？」

あーーっ、と天を仰いだ悠くんは、そう言って
俺のわがままを通してくれた。

「んー、まあ置けなくはないと思うよ〜。
でもさー、なんて言うか…さっきのは
あざとすぎるよね？」

「そうなんすよね。うちの結月は、たまに
ああやってあざと可愛いを発動してくるんだよ！
先生、俺がいない時に結月に変な虫が
つきそうだったらしっかり駆除してね！」

「もちろん、僕にまっかせなさーーい！」

なんて言って、今度は2人で盛り上がってる。

なんだよ、変な虫って…。

そんなの自分で祓えるから。