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とある3人 ページ4

【西田side】

「着いたー!」

居ても立っても居られなくなった俺は、
合宿所に前乗りすることに決めた。

既にメンバーの何人かが、俺と同じように
前乗りしていて会うたびに喜びの言葉を交わした。


バレーを大好きな人たちと、全力でバレーができる。

これ程の幸福は、きっとないんやろうな。

…あの子が来ると分かっているから、
尚更なんやろな。


高揚する気持ちを抑えきれず、スキップしながら
与えられた自室へと向かっていると

「有志、随分楽しそうだな(笑)」

と後ろから声を掛けられた。

俺が、1番聴きたかった声!!

「祐希さんッ!!」

クルリと振り返ったそのままの勢いで、
彼にバッと飛びついた。

俺の勢いに圧倒されつつも、彼はなんとか
踏みとどまって俺の頭をコツンと軽く小突く。

「急に飛びついてきたら危ないだろ」

そう嗜められたけど、呆れたように笑う彼の瞳は
優しくて。

それが自分に向けられているのが嬉しくて。

「はーい!」と笑顔で返した。



「今回はイタズラとかするなよ!」

荷物を置いて手持ち無沙汰になった俺が、
隣の部屋の祐希さんを訪ねてみたら
目が合うなり、そう釘を刺された。

急にそんなこと言われてもな〜。

返事の代わりにニィッと笑うと

「ゆ〜う〜じ〜」

と名前を呼ばれて、こめかみの上辺りを
グリグリされた。

「祐希さん!痛いっ、地味に痛い!!」

俺がヘルプを出すと、彼は
「今回はイタズラ禁止だからな!」と念を押して、
グリグリを止めてジーッと俺を見つめる。

祐希さんの頼みでも、それは聞かれへんな。

揺るがない俺の本心が、無意識のうちに口角を
上げようとしてくる。

なんとかそれを制御しつつ…
思い浮かんだのはAの無邪気な笑顔だった。

早く会いたいわ…。

なんて、ちょっと女々しい自分に少しだけ笑う。

そんな俺に呆れたのかなんなのか、
祐希さんは俺の向かいにストンと腰を下ろした。

とある3人2→←とある彼女3



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天然水。(プロフ) - RIOさん» 実際どんな関係性なのかは分からないですけど、こんな感じだったらいいなって思って書きました♪ (2022年1月20日 23時) (レス) id: 7595eebd17 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 西田くんは祐希さんもマサさんも好きで、石川くんはマサさんが大好きで、マサさんはまさに大人って感じで……、なんか3人の関係性がめっちゃ好きです!! (2022年1月18日 23時) (レス) @page7 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
天然水。(プロフ) - RIOさん» 引き続き読んでくださってありがとうございます!!西田くんの可愛さが伝わって嬉しいです!これからもニヤけるシーンをいっぱい書いていけたらいいなって思います!笑 (2021年12月2日 23時) (レス) id: 7595eebd17 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 新しいの読ませてもらいました!何なんですか、このカッコよさは!(褒めてます)あと、西田くんがめっっちゃ可愛い……ニヤけちゃってヤバイです(笑) (2021年11月15日 22時) (レス) @page4 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
天然水。(プロフ) - RIOさん» 読んでいただきありがとうございます!更新頻度は遅いですが、温かい気持ちで待っていただけると嬉しいです! (2021年10月10日 1時) (レス) id: 7595eebd17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天然水。 | 作成日時:2021年9月27日 20時

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