君と過ごすキラキラな時間

とある寝顔2 ページ9

練習がスタートしてはや半日。

跳んで跳んで…ひたすら跳んで。

チームを勝利に導くために、
1歩でもブロッカーとして成長できるように。

全神経を目の前のバレーボールに注ぐ。

一瞬一秒も気を抜かないように。



「休憩〜！」

その声で一気に緊張の糸が切れる。

みんなの顔もふっと和らいで、俺は何気に
この表情の変化が好きだったりする。

「晶くん、お疲れ様！」

小走りでこちらに駆け寄ってきたAが、
フワッと微笑んでタオルとドリンクを
手渡してくれた。

ホワホワと柔らかい彼女の雰囲気に、
思わず抱きしめたくなった。

…けど、もちろん我慢だ、我慢！


その代わりに、Aの方に手を伸ばして
髪をすくように撫でた。

「ありがと」

できるだけ平静を装って彼女に礼を言うと、
彼女はさらに笑みを深めて頷いた。

嗚呼ヤバい、ものすごーく抱きしめたい…。


「ヤマ、なんかニヤけてるぞ？」

Aが俺のところから離れた後、
隣に座っていた将洋が肘で小突いてきた。

「はぁ!?」

予期していなかった言葉に、俺は思わず
大きな声を出してしまう。

一気にみんなの視線が俺に集まり、
若干の焦りを感じた。

そんな様子を見て、将洋は楽しげに笑いながら
「慌ててる、慌ててる」と他人事。

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