The bunny2 (ページ35)

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ep.14.4 ページ35

翔くんの顔を見ると、困ったような顔
をして笑っている。
そこにさっきの意地悪さはもうない。

『別に翔くんの意地悪には慣れとるし…』
俺の頭を撫でる手から、翔くんの優しさが伝わってくる。

でもそれに絆されないように、唇を尖らせて
怒ってるアピールをすると

「そんな怒んなって」
そう言って、翔くんは俺の頬をツンツン突いて
クスクス笑う。

何でだろう…。
笑われてるはずなのに全く嫌な気がせん。

翔くんの笑顔はいつだってそう。
どんな時でも俺を明るくしてくれる。

それは、翔くんの笑顔には、いつも子どもみたいな
純粋さが見え隠れしているからだと、俺は思うな。

それか...…俺が翔くんを好きすぎるから、かな...(笑)
なーんて思いながら

『もういいよ』
って、つられて笑う。

そしたら、翔くんの大きくて優しい手が離れていって

「俺、風呂入ってくるわ。史悠は先に寝てな」
そう言って、浴室へと行ってしまった。

安心をもたらしてくれる手が離れていったことに、
少しだけ寂しさを感じたけど、その寂しさを
振り払うように寝室へと向かった。

いつもは自分のベッドで寝てるけど...。
2つ並んだベッドの前に立って、少しだけ悩んで...

『今日はこっち！』
翔くんのベッドにダイブしてみた。

今日はとことん翔くんを近くに感じたいみたい。
たまにはそんな日があってもいいよね？

翔くんのベッドに飛び込むと、
翔くんに抱きしめられているような安心感に包まれる。
心が満たされていくのを感じながら、
俺は深い眠りへと落ちていった。

寝る準備を済ませた翔平は寝室へと向かう。
そこで、自分のベッドが不自然に
膨んでいるのに気づいた。

そっとベッドを覗き込むと…
すやすやとあどけない寝顔の史悠が視界に映る。

それを見て、思わず頬が緩む翔平。
「おやすみ、史悠」

そう呟いて、翔平は愛しい弟の柔らかい髪の毛に
唇を落として、空いている史悠のベッドで眠りについた。