The bunny2 (ページ26)

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ep.13.1 ページ26

ん〜、どうしても気になる…。

朝から気になってどうしようもないことが、
俺にはあった。
ヘルメットを被れば直るんかな？とか思ったけど、
それも全く意味がない。

何で翔くんは気にならんの？

「史悠くん、何か翔平に言いたいことでもあるの？」

ベンチの後方から翔くんを見つめていると、
一平さんに声をかけられる。

『ん〜？あれ、気になんの』

俺は翔くんの頭を指差す。
ピョコッて跳ねとる寝癖。

すると一平さんは苦笑いしながら
「今日はすごい跳ねてるね」
と言った。

俺はその通り、と大きく領く。

『一平さん、小さめのタオルとかない？』
どーしてもあの寝癖を直したい俺は、
一平さんに聞いてみる。

すると、デキるー平さんは「あるよ」って
少しだけゴソゴソ探した後、タオルを渡してくれた。

『一平さん、ありがと』
受け取ったタオルに水を垂らして濡らしていると...

「ー平さん、バナナどこ〜？」
って、寝癖をピョコピョコ揺らしながら、
翔くんがこちらへやってきた。

「バナナね、ちょっと待ってて」
一平さんがバナナを探しに行くのを見送って…

『翔くん、ちょっと座って』
と、バナナ待ちで手持ち無沙汰になった
翔くんに声をかける。

そしたら翔くんは、俺を見下ろしながら
「何で？」と首を傾げる。

体はめちゃくちゃデカいけど、首を傾げる仕草は
何だか可愛く見えて...。

…って、そんなことは今はおいといてっ！
『寝癖が気になんの！』

そう伝えたけど、翔くんはそんなの全然
気にしていない様子で
「俺は気にしてないから大丈夫」
と言い放って、俺に従ってくれる気配がない。

『俺が気になんの！』
何でこんなに気になるんか、自分でもよく分からんけど
とにかく気になって仕方ない。

「史悠が気にすることじゃない」
翔くんも引く様子はない。

『いいから座ってよ！』
言葉じゃ説得できないと判断した俺は、
翔くんに軽くタックルしてみる。

…が、もちろん俺が敵うはずなんてなくて、
翔くんは悪そうな顔でニヤニヤしながら

「やだ」
ってキッパリ。