The bunny2 (ページ24)

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ep.12.6 ページ24

それから30分後に合流した史悠は、
目敏く俺が持っている袋に反応して

『あれ？何か買ったん？』
と聞いてくる。

「あぁ、まぁ⋯」
歯切れの悪い返事をすると、
史悠が袋の中を覗こうとしてくる。

そんな史悠を避けるようにして、足早に車へ向かう。

『えー？何で見せてくんないの？』
史悠は余計に気になったようで、
必死に俺が持つ袋へと手を伸ばす。

あまりにもしつこいもんだから、
車へ乗り込むと同時に袋を渡す。
袋を受け取った史悠は、その中を覗くより先に

『あ…俺、助手席(こっち)座っちゃった…。
　運転するよ？』
と少し申し訳なさそうに言った。

史悠の、そういう優しいところが好きだ。
彼の顔を見ながら、ふとそんなことを思う。
優しい史悠が、他の誰かに傷つけられないように
守りたい、と俺は思う。

『俺が行きたいって言い出したし』
「いい。今日の買い物、楽しかったから」

連れ出してくれてありがとう、は
少し照れ臭くて言えなかった。
けど……

『翔くんも楽しんでくれた!?よかった〜!!』
隣でそう言って、ホッとしたように笑みを
浮かべる彼を見ると...

「ありがとな」
スルッと感謝の言葉が出てきた。

史悠の、笑顔が好きだ。
昔から変わらない、その純真無垢な笑顔が、
いつも俺の心を解してくれる。

だから、俺は史悠の笑顔のためなら、何だってして
あげたい、そう思ってしまうのかもしれないな。