ep.12.5 ページ23
史悠が後1時間だけ
買い物したいと言って、
『翔くんはこのカフェでゆっくりしてて』
と言い残したから、俺は史悠に勧められた
カフェに向かうことにした。
だけど、その前に...
俺はさっきの服屋へと足早に戻る。
史悠がさっき諦めた服は…っと、これか。
俺は迷わず服を手に取って、レジへと向かった。
さっき服を買ってもらったお礼と、
いつも俺の傍にいてくれるお礼。
俺は史悠の笑顔で前を向けるから。
また頑張ろうって思えるから。
…それに、こっちの服も、史悠にものすごく
似合ってたから、諦めるのは勿体無い。
レジをしてくれたのは、さっきと何じスタッフさんで、
俺を認識した途端、微笑ましい温かい視線を向けてくる。
なんか…恥ずい…。
「 "弟さんへプレゼントですか？" 」
「 "あぁ、まぁ……" 」
歯切れの悪い返事をした俺に、変わらず愛想のいい
笑みを浮かべたまま、
「 "本当に兄弟仲が良いですよね。いつも応援してます" 」
と言った。
どうやらエンゼルスファンのようだ。
「 "ありがとうございます" 」
応援してくれる人がいるのは、とてもありがたいことだ。
「 "きっと弟さん、すごく喜ぶと思いますよ!!" 」
服が入った袋を渡しながら、彼はニッコリ笑った。
その言葉に、ピョンピン跳ねそうな勢いで
喜ぶ史悠が頭に浮かんだ。
「 "bunnyみたいに喜ぶと思います" 」
ニヤリと笑ってそう言うと、彼は領きながら
「 "想像できます" 」
とクスクス笑った。
やっぱり史悠は "bunny" として、
しっかり認識されてるんやな(笑)
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作者名：天然水。 | 作成日時：2024年1月5日 17時
