The bunny2 (ページ3)

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ep.9.3 ページ3

結構冷たいトーンだったけど、
史悠くんはそんな事お構いなしって
感じの明るい表情のまま、

『翔くんの負のオーラの方がよっぽどジャマだから』
と言い放ってニヤリと笑った。

かなり挑発的だ。
でも、何でかな。

俺にはそこに愛が見えた。
信頼する兄への揺ぎない深い愛が。

「は？」
打撃不振で翔平はいつもの冷静さを失っているのか、
俺が感じている史悠くんの隠れた想いを
感じとれていないみたい。

んー、実に珍しい。
普段は誰よりも、史悠くんの言葉に出てない
隠れた感情を瞬時に汲みとるのに。

そんなことを思いながら、2人の様子を見守っていると
バタバタと慌ただしくサンディーがやってきて、
俺の隣に座った。

「 "あれ、止めなくて大丈夫なの？" 」
2人の間に不穏な空気を感じたのか、
そう耳打ちしてくる。

サンディーの後をついてきたデトマーズも、
俺に心配そうな視線を投げてくる。
俺は思わずふふっと笑ってしまった。

「 "何で笑ってるの？" 」
サンディーがすかさず、不思議そうに聞いてくる。

その後ろでデトマーズは、ずっと俺に
無言の圧力をかけてくる。
デトマーズって、史悠くんのことになると、
目の色が変わるよね。
そのくらい仲良いってことだね。

「 "2人なら大丈夫。もうちょっと見守っていよう" 」

「 "ほら、一旦座って" 」とデトマーズにも
スペースを空けると、そわそわしながらも
彼は黙って座った。

サンディーにせがまれて、俺は翔平と史悠くんの
言葉を聞き取れるところだけ通訳しながら、
2人を見守ることになった。