The bunny2 (ページ20)

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ep.12.2 ページ20

「ヤダ」
別に買いたいものがない俺は即答。

そんな俺のつれない返事に、史悠がおでこを
赤くしたまま、ぶーぶーと文句を言ってくる。

すると、一平さんが冷えピタを持ってやって来て

「何があったの？」
と焦った顔。

…だったけど、見慣れた兄弟の言い合いに首を傾げる。

『聞いてよ、一平さん！翔くんがね…』
「その話は後！先におでこ冷やせ」

一平さんを味方につけようとした史悠を制して、
ー平さんに「ありがとう」と言いつつ、
冷えピタを受け取って、史悠のおでこにそれを貼る。

「一平さん、もう大丈夫だから行っていいよ」
そう伝えるけど、一平さんが動く気配はなく...

「史悠くんは何て言いかけたの？」
律儀に史悠に聞き返す。

ああ、最悪だ…。
一平さんのことだ、史悠の肩を持つに決まってる。

「翔平、一緒に行ってきなよ。
　きっと良い気分転換になると思うよ」

ほら見ろ、予想通りだ…。
史悠から話を聞いた一平さんは案の定、
俺に "行け"と言ってくる。

ニコニコ笑顔の一平さんと、キラキラ期待の
眼差しを向けてくる史悠を前に、
俺は折れるしかなかった。

「...用が終わったらすぐ帰るからな」

俺の言葉に、史悠はピョンピョンと兎の如く
跳び跳ねそうな勢いで、笑顔を弾けさせて
『やった!!』と喜ぶ。

そんな愛しい弟につられて、
俺も思わず口角が上がるのだった…。