ep.11.5 ページ16
そんな最高に輝く翔くんを
ジッと目に焼きつけていると…
「 "ほら、行こう" 」
いつの間に手すりを乗り越えたのか、グラウンド側で
デトが嬉しそうな顔で、俺に手を差し出している。
俺は迷わずその手を取って、グラウンドへと飛び出した。
そしたらデトがポンッと背中を押して、視線を飛ばす。
その視線の先には、みんなにもみくちゃに
されている翔くんがいて…。
俺はデトに軽く頷き返すと、その輪の中に飛び込んだ。
みんなにもみくちゃにされながら、
みんなの笑顔に囲まれる、最高の瞬間だ。
俺はこうやって、このチームで、ここにいるみんなと
勝ちを積み重ねていきたい！
そう思っていると、どこからともなくニュッと
手が伸びてきて、俺の髪の毛を雑にわしゃわしゃ。
その腕の先には、とびっきり輝く笑顔の翔くんがいて…
「史悠、今日はありがとな」
と言ってくれた。
その言葉が最高に嬉しかった。
翔くんは、俺自身がどんなに満足した
ピッチングをした日でも、ここはこうした方がいい、
って修正のアドバイスをくれる。
ストレートに誉めてくれることなんて滅多にない。
そんな彼から、今日は真っすぐな "ありがとう" を貰えた。
少しだけ、認められたような気がした。
『翔くんも、ほんまにありがとう！』
嬉しさの勢いのまま、彼に抱きつくと
キラキラ眩しい笑顔のまま、抱き返してくれた。
すぐ目の前には翔くんの世界一眩しい笑顔があって、
絵になる美しい笑顔のデトがいて、
キラキラ笑顔のみんながいる。
なんかこのまま天に召されてもいいってくらい…
今、俺は最高に幸せだ!!!
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作者名：天然水。 | 作成日時：2024年1月5日 17時
