The bunny2 (ページ13)

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ep.11.2 ページ13

不安定でやらかしまくってた
1年前とは違う。
あの時、キャッチャーの瞳は不安げに
ゆらゆらと揺れていた。

…だけど、今は真っ直ぐにしっかりと
俺を見つめてくれている。
その真っ直ぐな瞳に、俺の闘争心が
メラメラと燃え上がる。

頼られて投げることがどれだけ嬉しいことか。

「 "頼りにしてるぞ" 」
ポンポンッとまた軽く肩を叩いて、
チャディさんは笑った。
とてもいい笑顔だ。

定位置に向かうチャディさんの後ろ姿を見ながら、
俺は気を引き締める。

その笑顔を台無しにはしないからね。
必ず、みんなの力になって見せるよ。

9回表終了。
3イニングをなんとか無失点で切り抜けたところで、
ダグアウトへ引き上げる途中。

チャディさんが俺に駆け寄ってきて、
肩をグッと引き寄せてきた。

「 "bunny!! 最高だよ!!" 」
興奮してる声で、もうニッコニコの笑顔で
俺に絡んでくる。

確かにどのイニングも三者凡退で、
きっちり相手打線を封じることができた。
でも、それは俺だけのカじゃない。

『 "チャディさんの配球が完璧だったんだよ" 』
そう、俺はチャディさんの指示通りに、
全力で投げ込んだだけだ。
1,2回は首を振ったかもしんないけど、
そんなのは大したことじゃない。

そう伝えると、彼はさらに笑みを浮かべて

「 "謙虚なところがショウヘイそっくりだ"」
と嬉しそうに言った。

ダグアウトに戻ると、まだ勝ちが決まったわけでは
ないのに、テンション高めのみんなに
頭を乱暴に撫でられたり、お尻を軽く叩かれたり、
とにかくもみくちゃにされる。

そんな風に笑顔を向けてもらえると、
やっぱり嬉しくなってしまう。

今まで、リリーフで3イニング投げたことはなかったし、
先発の頃は打たれまくってたし…。
そんなことを加味すると、今日の自分は
十分うまくやれた気がする。