守りたい背中【男主】 (ページ11)

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ある日の練習風景3 ページ11

俺はそんな将洋さんの言葉に首を傾げた。

"余裕そう"…?
そんな風に俺、見えてるん??

余裕なんかひとつもないんやけど。

「余裕なんか全然ないっすよ。
俺は毎日将洋さんに追いつきたい気持ちで
いっぱいいっぱいで」

反論、とゆーか本当の気持ちを彼に伝える。

すると彼は照れたようにポリポリと頬をかいて

「俺はそんな大層な人間じゃないよ」

と呟いた。

"大層な人間じゃない"
その言葉に体がピクリと無意識に反応した。

「俺にとっては…
将洋さんは憧れで目指すべき人です!!!
今の言葉、撤回してください！」

ズイッと彼に詰め寄って俺は本音をぶつけた。

"大層な人間じゃない"
なんて悲しいこと、言わないでほしい。

あの美しいフォームも
あの起死回生のビッグサーブも
こんなめんどくさい俺に正面から
向き合ってくれる優しさも
全部全部、将洋さんだから出来ること。

ほかに代わりなんて、どこにもおらん。
これからも、この先も、
俺をこんなに惹きつけてやまない人間は
将洋さん以外におらん。

この気持ちが伝わってほしい、と
熱い視線を彼に送る。

彼は驚いた表情で俺を見て、しばらく固まっていた。