MY HERO2【男主】

My longing6 ページ28

「…と、まぁ初めは俺の彼女に
　間違えられたって訳」
翔くんがクスクスと笑いながら、話を締め括った。

『まぁ…あの時はオフシーズンで、
ちょっと髪長かったし…』

なんて、ちょっとした言い訳をしてみる。
そんな僕をジーッと見つめる宗。

...さすがに無理な言い訳だったかな。
あまりに黙って見つめてくるもんだから、
焦ってさらに言い訳をしようとした時…

「確かに、Aさん結構細身だし、肌も白くて
綺麗だし、女の人に見えなくはないですよね」

真っすぐ見つめて宗がそう言ってきたから、
何か…恥ずかしい！

『見えんよ!!』
予想していなかった宗の言葉に、
冷静に返す余裕はなく咄嗟に叫ぶ僕。

「いや見えなくはないですよ。目とかクリクリしてて
子犬っぽくて、何か可愛いらしいですし」
尚も平然とした顔で畳み掛けてくる宗。

え、何この子!?ほんまにそう思ってるん？

揶揄われてるんかと思っとったけど、
宗の表情からそんな感じはせんし…。
どう返そうか迷っていると

「ちょっと〜、イチャイチャ禁止!!」
翔くんが僕と宗の間に入ってきた。

「言っときますけど、いつも大谷さんとAさん、
こんな感じですからね！」

宗の言葉に僕は思わず苦笑い。
一方の翔くんは楽しげに笑って、宗の肩に手を回す。

「宗も言うようになったな〜」
なんて言ってニッコニコ。

翔くん、いい笑顔だな〜。
彼の笑顔に釣られて、思わず僕も笑顔になる。

『宗と翔くん、だいぶ仲良くなったよね』
僕がそう言うと、2人は顔を見合わせる。

翔くんは相変わらずのニコニコ笑顔で頷いて、
宗は少し照れたような表情で

「まぁ…そうですね」
と答えた。


なんか、いいなぁ。この穏やかな時間。

ずっとこんな時間が続けばいいのに、
なんて子どもじみたことを思ってしまう僕だった。

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