MY HERO2【男主】

His anxiety4 ページ20

宗は翔くんの言葉を信じたのか、
慌てて自分の耳を覆う。
そしたら、ぷはって翔くんが吹き出して豪快に笑う。

宗は訳わかんないって顔で、笑っている
翔くんを見つめる。

『宗、鎌かけられたんよ』
彼に助け舟を出すように僕が言うと、
やっと理解したのか、宗が悔しそうな顔をした。

やっと笑いがおさまった翔くんは
「ごめんごめん(笑)」
って反省の色ゼロで謝る。

宗はジトーッとした目で翔くんを見続ける。
そんな宗の視線を気にすることなく、
彼はニコッと笑って、宗の頭に手を伸ばす。

「頑張るのはいいことだけどさ、自分に合った
方法を見つけて、くれぐれも無理はせんように」
そう言ってポンポンッと軽く宗の頭を撫でた。

「単に他人の真似をすればいいって訳じゃないからね。
困ったことがあれば相談乗るから、なんでも言って」

先程の悪戯した人物とは思えんくらいの
優しい目で翔くんは宗を見る。
宗もその真っすぐな瞳に吸い込まれるように
真剣な目で彼を見つめたまま頷いた。

あれ？なんか僕、蚊帳の外？

ちょっとだけ疎外感を感じていると、
ふっと翔くんが僕の方を見て

「Aは前に俺の真似して無茶してたよね(笑)」
って、まーた意地悪な顔に戻る。

『あー、そんな時代があったね…(笑)』
翔くんの筋トレを真似してみたら、僕には高負荷すぎて
翌日にも悪影響を及ぼすくらいだった。

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