【ハイキュー】後輩のツッコミどころにツッコミきれない3

11.解釈違い ページ12

遥side



これは大変まずいことになった。

先輩の誤解を解いたのはいいとして、堅ちゃんが良いように解釈したままなんだろう…






試合終わりに話すしかないわね。



というわけで。





「あっ先輩、試合終わりましたよ。及川さんにスポドリ渡してきちゃいますねっ」
『いや全員に渡せよぉぉぉ』



ツッコミは聞こえないふり♡
私の頭にはいつもメルヘンで可愛い音楽しか流れてないんだから！





「ふ・た・く・ち・せんぱぁい！！」
「疲れが増した」
「酷いじゃないですかー！話聞いて欲しいんですけどぉ」





いつもなら暴言を吐くところだけど、我慢我慢。

だって及川先輩には可愛く見られたいしぃ♡
てかもう可愛いんだけどね？




「ちょっと屈んでもらえません？」
「しょーがねーなお前チビだからな」
「覚えとけよ」






ニコニコと悪態をつくと、だるそうに堅ちゃんは屈む。

近づいた耳に向かって私は話し始めた。





「あのね、現実を受け止めてほしいの」
「それブーメランだって分かってる？」




うるせーな今はそんなことどうでもいい！




「空森遥、一生の不覚なんだけどね……
どうやら、A先輩は私と堅ちゃんが付き合ってるように見えてるみたいなの」




怒りをどうにか丸め込み堅ちゃんに伝えた。

ほんと、この件だけは不覚でしかない。私が堅ちゃんと付き合うとかマジ無理だから。




「………堅ちゃん？聞こえてる？」
「…………………はぁー……そういうことか」




返事がないから目の前の男を見てみたけど、

なんだかいつもの堅ちゃんじゃない。
無駄にバカにした態度も消え、前髪で表情が隠れててよく見えない。




「堅ちゃん、」
「ありがとな遥。俺、都合の良く勘違いしたままでいるところだったわ」
「ちょっ、待ちなさいよ……」




この私が引き止めてあげたのに、あいつは私に顔を見せないまま、ベンチに置かれたスポドリを持って牛島先輩のところまで行ってしまった。




……なによ、落ち込まないでよ。
面倒事はキライなんだから！！！






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿






ーその頃及川ー





「試合疲れたー！喉乾いたな…………

え、スポドリどこ？」

12.ヤツって言うとGみたいだね→←10.勘を違えると書いて勘違いという

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す