〜2話〜 ページ4
次の日。
静「A〜!一緒に学校行くぞ!」
静哉の声がする。
昨日は、“隣に越してきたんだ”なんて急に言いに来た。
驚いてやろう、なんて思っていたがそれには私も驚いた。
今日は青道の入学式だ。
そして、今まで練習を積み重ねた自己紹介。
静哉は、何食わぬ顔で私の手を握る。
いとこなのだから何も感じることはないのだが、
久しぶりの出来事に少し戸惑う。
静「A、同じクラスだといいな。」
そういって、にっこり笑う。
貴「う、うん。せ、せ、静哉が居てくれると
こ、心強いよ。」
『Aちゃん!』
そう話しかけたのは中学校が同じだった“莉亜[りあ]ちゃん”。
静哉と同じ塾に通っている、明るい女の子だ。
簡単にいうと、私の唯一の友達。
莉亜ちゃんは、中学時代吹奏楽部でフルートを吹いていた。
莉「Aちゃん、高校でも弓道やるの?」
貴「う、うん、そのつもり。り、り、莉亜ちゃんは吹奏楽部?」
莉「どうしよっかなー、と思ってて...」
静「莉亜、野球部のマネージャーとかどうよ。」
莉「何で急に?ってか、そういう静哉は何部入るの?」
静「俺は...弓道部かな。」
貴「せ、静哉、弓道やってたっけ?」
静「おぉ、まぁな。高校は弓道やりたくて、中学は練習してたんだ。」
Aと同じ部活に入りたくて、なんていえない...。
そんな静弥の想いに、私は気づかない。
貴「そ、そうなんだ。」
莉亜がちゃん静哉に耳打ちした。
『Aちゃんと同じ部活に入るためでしょ?』と。
私には聞こえなかったけれど。
…………静弥の顔は赤かった。
莉「Aちゃん、静哉。行こ!そろそろ時間ヤバイよ!」
貴「あ、うん!」
_____その日の放課後
私、静哉、莉亜の3人は図書館に行った。
どうして呼び捨てなのかというと、
せっかく仲良くなれたのだからと
莉亜が提案してくれたから変えてみたという訳だ。
静哉と莉亜は私の吃音を知っている。
静「A、自己紹介上手だったな。」
貴「う、うん。き、昨日、たくさん練習したから。」
莉「それに、私の前で話すのもスムーズだよね。」
「やっぱり、静哉がいるからかな?」
莉亜は、呟くように言った。
私は感じていた。
莉亜は静哉が好きなんだ、と。
自分は誰が好きなのか、“好き”とは何か。
よくわからないけれど、きっと莉亜の気持ちを
“恋”っていうんだと、私は思った。
そして、まだ莉亜も気づいてないんだろうな、とも思った。
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*ももか(プロフ) - (名前)望花さん» 混乱させてしまったならすみません!これは、私が勝手に作った亮さんたちが2年生の頃のお話なんです!だから、まだ倉持は1年生だから試合に出てない設定でよろしくお願いします!! (2019年6月7日 22時) (レス) id: e5790203c3 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)望花(プロフ) - 1番は倉持ですよ〜 (2019年6月4日 23時) (レス) id: f5c4d2c0f7 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)望花(プロフ) - 2番セカンド小湊亮介ですよ(*`・ω・)ゞ (2019年6月4日 23時) (レス) id: f5c4d2c0f7 (このIDを非表示/違反報告)
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