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目の先にあるのは、1等から10等まで様々な景品のある射的だ。
「A射的得意なの？」
『え、わかんない、下手かも』
「いいよ、やってみな」
そう言って背中を押してくれる先輩。
200円を屋台のおじさんに渡して、プラスチックの銃を構える。
……3段目のきつねのぬいぐるみが欲しい。
ミルクティー色で目がまん丸い、先輩みたいなきつねさん。
狙いを定めて、引き金を引いた。
☆
『も〜、惜しかったのに……』
「いや全然掠りもしてなかったけどな」
結局5発とも外して項垂れながら先輩の所へ戻る。
拗ねる私の頭を撫でながら、思ったより下手で笑った、とか言ってるので小突いておいた。
「見てたら俺もやりたくなったわ、やってきていい？」
『もちろん！何狙うの？』
「んー、秘密」
そう言って銃にコルクを詰める先輩。
甘い顔をしてるのに、真剣な表情がかっこよくて私をドキッとさせる。
準備が出来たのか姿勢よく狙いを定める先輩。
ーーﾊﾟｺﾝッ
「おー！お兄ちゃんおめでとう！これ、景品ね〜」
そう言って屋台のおじさんから渡されたのは、さっき私が狙っていたキツネのぬいぐるみ。
「はい、これあげる」
『これ狙ってたの分かったの？』
「うん、A惜しかったから」
さっきは下手くそとか言ってたのに。
頑張ったからご褒美ね〜って笑顔で言ってくる先輩の破壊力は凄い。
『おっぱありがとう、大好き』
「ふは、どーいたしまして。」
そんなに喜ぶと思わなかった、って笑いながら言う先輩に、この子おっぱに似てるから欲しかったの、って言ったら
「ばか、可愛いこと言うな」
って耳を真っ赤にして言う先輩。
この目とか毛の色とか、あとここもおっぱに似てて…って色々説明してたらキスで黙らされた。ずるい。
『この子ろんちゃんって名前にする』
「恥ずかしいからやめろ」
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作者名：RUI | 作成日時：2022年7月10日 21時
