色を探す世界［2］【歌い手】 (ページ30)

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色を探す［30］ページ30

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『もしもし…センラさん…？』

つい恐る恐る聞く

セ〔センラさんだよ〕

優しい声に涙が出てくる

『センｯラ…さん…ｯｯ』

涙が止まらない

センラさんは、電話の向こうでいきなり泣いた私にびっくりしたのか慌てている

セ〔えｯ、Aちゃん！？
どうしたん？どこか痛いんか？〕

『ごめんなさい…ごめんなさい…
私のせいでライブを台無しにしてしまいました
あんなに気をつけてたのに…本当にごめんなさい』

気持ちが溢れ出てくるような感覚

苦しかった、辛かった

セ〔…お疲れ様、今からそっちに行くな
それで沢山飲もう！お話いっぱい聞くで〕

『ありがとう…ございます』

そう言って通話を切った

『恥ずかしいところを見せちゃったな…』

センラさんのおかげで今の私がいる

でもこのままセンラさん甘えてていいのか

『…何もわからないよ』

アンチのコメントが目に映る

姿が見えない人から心の無い言葉

こんなに辛いとは思わなかった

『センラさん…早く来て』

ソファに顔をうずめているといつの間にか意識が消えた

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『ここは…夢？』

だって目の前にセンラさんが寝ているし

それに色だってついている

久しぶりに見た鮮やかな色

『綺麗な…黄金色、黄色？の方がいいのかな』

夢だからいいかと思い髪に手を伸ばす

さすがセンラさんだ、ツヤツヤでサラサラした綺麗な髪

『…ｸｽｯ、可愛い寝顔だな』

センラさんの頬を撫でた瞬間色が消えた

『ｯｯｯ!!…夢ぐらい色を見させてよ…』

悲しくなり眉を下げるとセンラさんと目が合う

…目が合う？

『あ、おはようございます』

ふわっと笑うとセンラさんは目を見開き飛び起きた

セ「すまんｯｯｯｯ！！？」

久しぶりに聞いたセンラさんの焦った声はちょっと可愛らしかった