7時間目 ページ8
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「菜月・スバルとプリシラ・バーリエルの意見がもっとも、とまでは言わないが、反対意見が出るのであれば民意を反映した判断とは言えないのかもしれんな」
「やだ、クルシュ様ってば考え込む横顔も素敵……でもでも、あの二人にはそんな深遠な考えにゃんて絶対にゃいと思います」
「いや、言い出したからには何か決定的な要因があるのだろう。すんなりと流れに烏合してしまった私とは違う、何かしらの理由が」
突如謎の訴えをしてきた菜月くんにクルシュさんが期待の眼差しを向けている。
菜月くんの顔をちらっと見てみる。
……クルシュさん。あれは絶対に"ノリでいいました!"って言う顔だよ、、、。
「それでええと……スバルくんだっけ? あなたはどうしたいの?」
「――――」
「あの席が欲しいなら、私とあなたの席を交換する? でも、それだとそっちのプリシラさんのお話を蔑ろにしちゃうし……」
「そ、そうなるな。事はそう簡単に収まる問題じゃないのさ。そして、俺の言葉は当然、俺自身にも降りかかる。あの席を手にする栄光は譲られるべきじゃねぇし、手軽に手に入るべきでもねぇのさ」
「じゃあ……?」
「決まってるだろ?」
もしかして……
「チキチキ、一心不乱の『大席替え大会』開催だ――!!」
そんな菜月くんの言葉に全員が息を呑んだ
ー生まれる数秒の沈黙。
だがそれは直ぐに
「うおおおお――! 席替えだ――!!」
という熱気に呑み込まれた。
「転校生も交えて、誰が最後尾の天国を! 最前列の地獄を見るか全て賭け! 引き直しも交換も一切許されない戦い、それこそが『席替え』の本質!」
「うおおおおお! 席替え! 席替え! 席替え!」
「体育祭や学園祭では一致団結して外敵に立ち向かうクラスメイトが、今この瞬間から互いの居場所を奪い合う敵にすり替わるデスゲーム的展開!」
「窓際! 窓際! 窓際!」
「…ラインハルト。これってもう3回目だよね」
「そうだねA。スバルはクラスを動かす力が有るんだよ!凄いな!」
急にクラスの熱気を見せつけられ、転校生は困惑してしまっていると思いきや
「席替え……すごーく楽しそう」
乗り気だった。
そうして、通算3回目のチキチキ、一心不乱の大席替え大会が行われることとなった。
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みかんじゅ〜す - 下に同じく(便乗) (2021年3月28日 11時) (レス) id: b6e022deac (このIDを非表示/違反報告)
シェリー - リゼロ最高 (2021年3月11日 18時) (レス) id: d81e626837 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もみじちゃん | 作成日時:2021年3月3日 23時