検索窓
今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:10,546 hit

Secret No.5『おはよう零℃世界』 ページ14

私、ついに気づいてしまった。

隣から消しゴムが落ちた音がして、眠気は一気に消え去った。
 黒板に書かれた単語の数々と先生が話している内容からして、確かこの時間は日本史。先生は変に手の込んだ話し方をして偉人たちの活躍ぶりを熱弁してるのはいいけど。全く惹かれない。髪の毛先をシャーペンでくるくると巻き付けた。あ、最近爪の手入れもしてないや。あくびは大きいし机の下で携帯をいじるし前を見ていないことをわかっているのに授業を続けて、先生には何一つメリットがないのに。現代っ子の私たちは一回意見が合わなければすぐ病んじゃうし。頑張るね、先生だけこんなことはしてればいいよ。

隣から聞こえる微かな寝息とさっき落ちてから少し経っても体が動かない隣のこいつ。に、ちらり視線を見やる。カーテンが揺れて彼を包み込んでいくように風がスペースを作っていく。このまますっぽりと収まってしまいそうだ。シャーペンもノートから逃げるように床へ向かって降下を始めた。

さて、そろそろ彼を起こそう。

「____しまちゃん、起きて」
「ん、んん……まだ寝る……」
「しまちゃん、起きて」

「先生いるんだよ目の前に……!」

先生が彼、志麻に怒りを口に出すまで。あと何秒か数えたくもない。
起こしたから、私の役目はもう終わりと前を向いた。
「あ」

ノート、何も写してなかった。
いけないいけない。まず、今日の日付から書かないと。



「も〜なんでぎりぎりになって起こすんだよ。」

デコピンとともに言われた言葉はあまり私に対して感謝を含んでいないようだった。おかしい、私は授業が終わる前にしまちゃんを起こした覚えはないんだけど。とふざけるも彼には効果はきっとない。肩をすくめる。あーあ、顔が怖いよしまちゃん。

「起こしてあげただけいいでしょ。いつもは先生に起こされて怒り二倍買ってるんだから」

こういうところ、やっぱり私には愛想がない。腕を組んで少しの胸を気持ちばかり大きくして顔はそっぽを向く。彼の椅子を占領してちらりと彼を見て、かまってほしそうなポーズを一瞬にして作り上げる。しまちゃんはこういうのより妹の志麻子ちゃんみたいなショートカットの美人とかわいいを持ち合わせた女の子をお好みなことを知ってる。性格が曲がった女の子は嫌いですか?静かにほほ笑んだ。

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
29人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , コラボ企画
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:作者一同 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2020年1月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。