白昼夢時計【不二周助】 (ページ5)

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4.新たな目的ページ5

嗚呼、そうだ。
この時は、たしか＿＿

(不思議な感覚…)

自分が過去でやってきた事を、
また同じように、
繰り返す。

時が戻るとは、
こういう感覚なのか、と、
不思議な気持ちになる。

｢A、どうかした？」

｢あ、ごめんね周助、
何でもないよ。｣

｢でもー、さっきから
凄いぼー、とした顔してるよAー！」

向かい側に座る菊丸が、
むむ、と眉間にシワを寄せて、
じー、と顔を見つめてくる。

｢何でもないよ」と笑って、
お弁当を食べ進める。

｢悩み事なら、
いつでも僕が聞くよ。｣

微笑んでくる周助を見て、
やはり、込み上がってくる涙。

｢ううん、悩み事なんてないよ。
ただ、テストの事とか考えてたの。｣

必死に笑顔を作る。

楽しい感覚など、
直ぐに消える。

そもそも私は、彼を助けに来たのだ。
過去を楽しむためじゃない…

彼の笑顔を見る度に、

私は安心感と共に、
胸が締め付けられる様な気持ちで。

ふと、鞄に付けている時計を見る。
時計は、カチカチ、と不規則な音を立てながら、
時を刻み続けている。

時間は止まりなどしない、
進むのみだ。

｢ねえ、周助、
明日、何処かに遊びに行かない？｣

私が進むべき時は、
彼を助けるための道。

もしものタメに、
私は悔いを残したくない。

-

過去を消すために来たのならば、
新しく何かを作っても、

それ何も、害にはならない。