救ってくれたのは【フィッシャーズ】

安心 ページ14

シルクさんの家につき、仮のお部屋に入る。


必死にものを出してくれたな、っというのが伝わる。


あまり家具がないからハンガーも数が限られてる。


それでも前の家より居心地が良くて。


安心して寝れたりして。


久しぶりのこの気持ち。


『明後日から通信なのか…』


そう呟きながら持ってきた物の整理をする。


ビリビリになった教科書。


読めないぐらい汚くなったノート。


グチャグチャになったジャージ。


見るたびに胸が痛くなる。


『もう…終わる…よ…ね…？』


涙が出てくる。


これで本当に終われるのか。


分からない…。


分からないけど…。


前に進みたい。


いつかはあの人に好き、って言いたいから。


だから笑っていかなくちゃ。


くじけないで行かなきゃ。


前を向かなきゃ。


感情がごちゃごちゃになる。


モ｢大丈夫…？無理しないでね…？あ、渡したいものあるんだ。｣


そう言い渡してくれたのは



リストバンド、で。


モ｢ここの、傷跡見たくないだろうって思ったからさ…？無理してつけなくてもいいからね？｣


モトキさんの優しい一言が



今までの凍った心を



溶かしてくれる気がして。



また、泣いちゃいそう。


めぐまれてるな。私。

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