い ページ15
一ヶ月後。
俺は無事に支度を終え、荷物をちょっと先に送ることもでき、一安心…
ではない。
どうしても、こーちの声が聞きたい。
電話すればいいんだけど、
勇気がなくて、掛けられない。
『会いにいけたらなぁ。』
そんな言葉もすっと吸い込まれて消えていく。
まるで、もう会えない、と言うように。
.
今日は、もう行ってしまう。
昼便で行って乗り換えて…という。
…来てくれるかな。
搭乗時間数分前。
……もう、会えないか。
携帯の画面を眺めて電話すれば良かった、なんて思ってしまう。
…我儘言っちゃ駄目だよ、俺。
相手は忙しいんだから。
社会人だもん。
…仕方ない、うん。
なんとか理由をつけようとする俺。
…仕方ないよ。もう。
諦めようと入口に向かおうとする。
「ジェシー？」
少し遠くで聞こえる声、
嗚呼、聞きたかった。
『こーち、仕事…。』
「ちょっと抜け出してきた。…いまお昼寝してるしさ。最後に会いたかったんだ。」
『…ありがと。』
好きだ、なんて感情は閉まっておこう。
迷惑かけちゃいけない。
「…あっち行ってもたまには連絡しろよ？」
『…当たり前じゃん。』
ねぇ、ここで、
好きって言えたら
ドラマチック？
恋愛ドラマみたいな展開？
…俺には無理かも。
いや、無理。
これ以上君の顔を見ると君をもっと好きになってしまうから。
早く、離れないと。
『…そろそろだから、じゃ。』
「…うん。あ、待って。おまじない。」
と言い俺に近づくこーち。
…ん？
唇…？
キス…？
「………じゃ、頑張れよ！」
そうはにかみながら言うこーち。
…俺の頭こんがらがるんだけど。
あざといなぁ。
『…うん。頑張るから！日本帰ってきたら会おうね？？』
「うん。そーだな。じゃ、俺も早く戻らないと。」
そう言って帰って行ったこーち。
耳が真っ赤だったのは言わないでおこう。
おまじない、おまじない…。
飛行機の中でも自問自答していた。
…やっば。俺頑張れる。
俺の鼓動は速まっていく。
…ねぇ、
それは、
俺のことが好きなの？
知りたいな、なんて思いながら飛行機の中で想いを馳せていた。
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愛萌。（まなめ。）(プロフ) - ventさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです…！書こうかなと思ってます。伏線回収出来るか分からないのですが、試行錯誤しながらまた書こうと思います。次回作も楽しみにしていただけるように頑張ります！ (2020年5月11日 11時) (
レス) id: fc2fa01877 (このIDを非表示/違反報告)
vent(プロフ) - ジェシゆごが好きで永遠様の作品にたどり着きました。完結おめでとうございます。短編含め更新される度に楽しませて頂いており、こちらの伏線も気になっていてよろしければ続けていただきたいと勝手ながら思っております。次の作品も楽しみにしております！ (2020年5月10日 23時) (レス) id: 2876756369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：永遠 | 作成日時：2020年4月22日 16時
