44 男女ペア ページ47
なぜこうなった？と先程からため息ばかり出る。
こんなことになるなら潜入捜査を引き受けるんじゃなかった。
あの言葉足らず上司め。と死んだ顔を私はしているだろう。
それもそのはず、パーティーへの潜入捜査とは言ったが、まさか団体に招かれた貴族に扮して情報を集めるというものであった。
つまり“男女ペア”というのは、貴族の妻に扮した私と、夫に扮したペアで行動しなければならず、
私が任務前に考えていた隠密行動など完全な無駄だったのだ。
しかも潜入するパーティーは仮面舞踏会らしく、貴族の様な綺麗なドレスを着せられ、
顔に仮面まで付けられてしまった。
今までちゃんとした服なんて隊服以外着た事がなかった私は、体のラインが強調されたマーメイドラインに、太ももまで見えるスリットが入った真っ白なロングドレスに違和感しか感じなかった。
万が一を考えるとスリットが入ることで走りやすいかもしれないが、足元はスースーして落ち着かないし、床をするドレスにヒールを引っ掛けそうで歩くのでさえ怖い。
嫌すぎて泣きかけていた私を見かねて心配そうな声がかかる。
？「大丈夫、ではなさそうだな。」
そう言ったのは、今回夫役になったX・ドレーク少将だ。
彼は真っ黒な燕尾服を着こなし、蝶ネクタイを真っ直ぐに閉め、胸ポケットには緑のポケットチーフが彩られている。
仮面まで付けたその姿は、普段の雰囲気とは全く異なり、血と汗を感じさせないフォーマルな男性がそこに立っていた。
ドレーク少将はリュウリュウの実を食べた、恐竜になれる力を持つとても強い人で、潜入を専門とする部署に配属している。
今回は潜入部隊の女性不足のため、私が引き当てられられたらしい。
ドレーク少将の口から潜入の詳細を聞いた時、私は声にならない叫びを上げてしまい少々驚かせてしまった。
そんな初対面だったため、初めは私に対して一歩引いた様な距離感でいたが、私が任務参加の腹を括った時には、
ﾄﾞﾚｰｸ「助かる。」
と安心し、肩を撫で下ろしていた。
そこからあれよあれよとメイクをされ、ドレスを着せられ、仮面までつけられてしまった私は、冒頭の様に後悔をするのだけれど。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
