42 クロコダイル ページ45
貴「以前私がその香りを試した時は、もっと花の香りが強かったですが、
葉巻を加えると、元のコーヒーとレザーが合わさり渋みが出るんだなと思いまして。
葉巻が邪魔をするかと思っていましたが、これはこれで良い香りです。」
香りに覚えがあったのは、ヒナさんとのショッピングでのことである。
最近香水に興味を持ち、ヒナさんが化粧品を吟味している傍ら、香水を試させてもらっていた。
どこのお店も素敵な物ばかり。
ひと吹きで様々な情景が浮かぶ香水は、本来は個性を出すためのものであるが、
私の場合は任務中に心を落ち着かせるために重宝していた。
そんな中、店員が店の奥から1本の香水を取り出し、ムエットに吹きかける。
部屋に一瞬にして広がったあのクラシカルな庭園の香りは、私の心をぎゅっと掴んで離さなかった。
しかし、気に入ったものの150000ベリーという金額を聞き、毎月の寄付があるので購入を諦めたのだが、
別日にお店に向かうと、既に香水はなく、作れる数が少ないため入手困難だと今更説明され、
今回はご縁がなかったんだなと諦めたのである。
貴「やっぱり無理してでも買っておけばよかったかな〜」
あの時嗅いだ香りを思い出しながら、深く息を吸い込む。
その様子を見たクロコダイルは不敵に笑いながら言葉を返す。
ｸﾛｺﾀﾞｲﾙ「この香水を知っているとはな。なかなか通な海兵だな。」
貴「そちらこそです。系統からして使っているイメージすら沸きません。」
入手困難で値も張るのに、海賊である彼なら裏のルートで簡単に手に入るのだろう。
皮肉を込めてあえてそう言ってやった。
ｸﾛｺﾀﾞｲﾙ「イメージと外れて残念だったな。」
葉巻を咥えながら口角をニヤリと上げ、クロコダイルは満足そうな顔をするのだった。
その顔にイラっときたが、既に元帥のドアの前まで来ていたため何も言えなかった。
しかしその数ヶ月後、私の元へ小さな香水瓶が送られてくるのはまた別のお話。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
