41 香水 ページ44
香りがぶつかってきた。
その言葉がぴたりと当てはまると思った。
立ち上る香りは、繊細な花の香りが前面に立ち、奥にはコーヒーとレザーが香り、キリッと背筋が伸びる感覚がある。
しかし最後はパウダーとバニラが残り、甘さと苦味が調和したクラシカルな庭園を彷彿させる。
海軍の汗と塩の匂いに慣れた私は、海風で巻き上がってきたその香りがあまりにも強く、ぶつかったと思うほどだった。
そしてこの香りには覚えがあった。ただ少し違和感があるが。
センゴクさんの命令で、港に着いたという七武海を迎えにいく。
海岸へ向かうほどその香りは強くなる。
これから会う人物を知っているだけに、まさかと思い海岸へ赴く。
海岸へ着くとそこには五指に大きな宝石の指輪がギラギラと光り、左手は義手の金色のフック、毛皮のコートを羽織り、葉巻を吹かすおっかない出立ちの人がいた。
王下七武海 サー・クロコダイル。
砂漠の国アラバスタ王国を拠点に活動している海賊で、スナスナの実の能力を持つ砂人間だ。
その力を駆使しアラバスタに侵入してくる海賊を始末していることから、国民からは“英雄”と呼ばれているそうだ。
そんな彼は花の香りとは無縁に感じるが、確かにそこから香る。
意外なこともあるものだと考えながら、クロコダイルへあいさつを済ませる。
すると、わざわざ出向いてやったんだ、早く案内しろと言いたげに視線を向ける。
その役目を仕っている私は、香りを気にしつつも案内を開始した。
貴「この香りはアイリスですか？」
本部を歩く道すがら、藪から棒に聞いてみる。
クロコダイルは一瞬こちらに目を向け、一息葉巻を吐く。
しかし、独り言だと思われたのだろう。私たちの間には会話はなく葉巻の煙だけが揺らぐ。
返事がもらえるとも思っていないのでまあいいかと、吐いた煙が消えぬ間に会議室へ足を進めた。
ｸﾛｺﾀﾞｲﾙ「何が言いたい」
後ろで再度葉巻の煙が揺らいだと思ったら、不審がる声が返ってきた。
後ろを振り向くとクロコダイルは、質問の意図が分からないと言いたげに眉間に皺を寄せこちらの様子を伺っていた。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
