40 似た者同士 ページ43
互いにスラスラと文句が並べられ、静かな攻防が続く。
しかしスモーカーさんは大きなお世話だと言わんばかりに今日一番の紫煙を吐き口論は途切れた。
吐かれた煙はふわふわと夜の空気に流れていく。
その煙は掴みどころがないスモーカーさんの様に思えた。
何を考えているか一見して分からないが、一匹狼で己が持つ正義を貫き、
矛盾した世界と戦っているように感じられた。
そこでふと気づく。その空気感はクザンさんも同じであり、あの2人が妙に波長が合うことに納得した。
そしてあまり話した事もないのにこんなにも話し込んでしまったのも、クザンさんと似たような空気を出しているからだろう。
新たな気づきを得た所で手が差し出された。
ｽﾓｰｶｰ「ほら、立て。」
てっきり葉巻を吸い終わったら戻ると思っていたが、スモーカーさんは仕方ないといった表情で私に手を貸してくれた。
手袋に包まれた骨張った手を掴むと、地面に根が張っていた私の体は簡単に起き上がり、急に立ったせいで痛んだ体を押さえた。
ｽﾓｰｶｰ「大きな怪我はなさそうだが、何かあれば医務室行っとけよ。」
そう去り際にスモーカーさんは言い、葉巻を咥えたままスタスタ本部へ戻って行った。
掴みどころがないとは言ったが、こんな夜中に本部の地面で大の字で転がっている私にでさえ心配して声をかけてくれたのだから、存外優しく義理堅い人間なのかもしれない。
そういうところもクザンさんと似てるなと思いつつ、痛む体を休めるため自室に戻るのだった。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
