37 覇気 ページ40
全て言い終わるとおつるさんの口から出たのはため息と労いの言葉だった。
おつる「まず、お前さん大変だったねえ。」
おつるさんの労いの言葉は頑張った甲斐があった気がして、いつも嬉しくなる。
しかし喜んだのも束の間、真剣な表情で話を続けた。
おつる「お前さんの調べた通り、ドフラミンゴの尻尾は掴めてなくてね。今もなお捜査中だよ。
あいつの持つイトイトの能力は人を操ることができ、大方人と人とを殺させる戦法さ。
それだけじゃなくイトを飛ばして攻撃もしてくる。
イトは鋭く簡単に人を斬っちまえるさ。
空を飛んでる目撃情報もあるからね。
おそらく雲に糸を張って飛ぶ事もできるだろう。」
考えてもいなかった倍の能力に冷や汗が出る。
操ってお互い殺させるって、そんな残酷な事を彼はするのかと怖くなった。
おつる「で、お前さんが体験したビリビリという感覚は覇王色の覇気だね。」
聞いたことがない言葉に頭を傾ける。
貴「覇気？あれ？覇気っていうと武装色と見聞色の覇気しかないですよね？」
そう素直に質問すると、おつるさんは分かりやすく説明してくれた。
おつる「そう、基本的には覇気は武装色と見聞色があるが、実はもう一つ覇王色というものが存在する。
これは誰にでも習得できるものではなくてね、特異な人間が危機的状況などに陥った時に
開花する物で、殺気や威圧、気迫に似たものがあるね。
覇王色の覇気を当てられると、弱い物は気を失うんだが、お前さんは大丈夫だったみたいだね。」
やれやれ小休止とばかりにおつるさんはお茶を啜るが、私の頭の中では情報がいっぱいだった。
ドフラミンゴの素性、イトイトの実、覇王色。
分からないことを解決したくて質問に来たのに、また分からないことが増えていくこの感じに、
文字通り頭を抱えた。
まだ頭の中はまとまっていないが、ひとまず次ドフラミンゴと相見えたとき死なないようにするためには、修行が必要だと分かった。
武装色は感覚に頼っているし、見聞色はまだ弱い。
六式は鉄塊と剃くらいしかできない私にはまだまだ課題がいっぱいだ。
弱い自分を鼓舞するために、あまり使いたくない手だったが勤務後の特訓メニューに
“じいちゃん”を加えるのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
