26 万年筆 ページ28
置いていかれない様に着いていくと、商店街を抜け、裏通りの様な静かな道に入っていった。
進んでいくと小さなショーウィンドウとこぢんまりとした店構えをもつ、アンティーク調でおしゃれな文具店があった。
その店構えに見惚れていると、じいちゃんは遠慮なく入って行き、久しぶりだな！と店主と挨拶を交わしていた。
遅れた私は急いでお店の中へ入る。
カランカラン、とドアベルが鳴るお店の中は狭く、じいちゃんの頭が天井に当たりそうなほどだったが、棚には様々な万年筆が綺麗に並べられ、窓から入ってきた夕陽に照らされて、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
じっくりと目に焼き付けながらお店の奥に進むと、じいちゃんの奥に白髪白髭のお爺さんがいた。
店主であろうお爺さんは私に気付くと穏やかな笑顔で迎えてくれた。
店主「おやおや、こちらがそのお孫さんですかな？」
貴「こんにちは。Aといいます。
あの、すごく綺麗なお店ですね。」
ふわふわとしたオーラを放つ店主に釣られて、私も「幻想的で美しい」と言うべき所をただ「綺麗」と表現してしまい、店主は苦笑いしながら
店主「いやいや、もう古くて狭いお店ですよ。」
と、的が外れた挨拶になってしまった。
ｶﾞｰﾌﾟ「それで、Aに合った万年筆が欲しいんじゃが何かあるか？」
そんな私をよそにじいちゃんは会話を続ける。
店主「少々お待ちを。」
店主はお店の奥に入って行き、何本かの万年筆を持ってきてくれた。
目の前に並べられた万年筆はどれも美しい造形で、手の小さい私でも持ちやすい様、柄の短い万年筆を選んでくれていた。
職人技が垣間見える万年筆は、シンプルな物、流線を描いた物、柄が入った物、金具が凝った物と、全て素晴らしく、万年筆の中でも高級品であると分かった。
臆した私はじいちゃんの方を見るが、じいちゃんは真剣に万年筆を吟味しており、私に買う気満々であるらしい。
これなんかどうじゃ？と高そうな万年筆を私に持たせて来た。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
