25 憧れ ページ27
やっと降ろされたのは、日も傾く夕方だった。
船に乗り数時間、さらに歩いて数分といったところで、私はそれなりに栄える島の商店街に立っていた。
なんだかもう疲れ切っていた私はじいちゃんを睨みながら改めて問いかける。
貴「じいちゃん、本当もうなんなの？どうして私をここに連れてきたの？」
そう言うとじいちゃんは胸を張り自慢げに言う。
ｶﾞｰﾌﾟ「なにっておまえさん、昇格したじゃろう！
昇格祝いを買いに来た！」
なんだ？言っとらんかったかのう？と豪快に笑いながら話すじいちゃんに呆れて言葉が出ない。
改めて言うがじいちゃんは要件を言わないので、毎度言った言わないでこちらが巻き込まれるのだ。
中将としてこれは問題なのではないかと心配になるが、
クザンさんもあれで大将なので海軍にとっては強さの方が重要なのだろう。
ついに巻き込まれに慣れてしまった私は、今日何度目かも分からないため息を吐き、
どうにでもなれ精神でじいちゃんと共に歩き出した。
貴「ありがとう。でも昇格祝いなんて別にいいけど？」
するとじいちゃんはそれは大きな声で
ｶﾞｰﾌﾟ「何言っとる！？
孫のAが海兵として立派な働きをしてわしは嬉しいんじゃぞ！
祝わなくてどうするんじゃ！」
と少し怒った様に言い出した。
普段大らかなじいちゃんがここまで言うのは本人にとって相当嬉しい事だという事が分かった。
ｶﾞｰﾌﾟ「何か欲しいものはないか？じいちゃんがなんでも買ってやるぞ。」
そう言ってくれるのでしばらく考えるが、仕事一筋で生きてきたのですぐには思いつかない。
欲しいもの…欲しいもの…と悩ませているとある物に目が止まる。
貴「万年筆…」
それはじいちゃんの胸ポケットに光る万年筆だった。
そういえばクザンさんもセンゴクさんも、ヒナさんも、
私の憧れとする人達は万年筆を使っていて、かっこいいなと思っていた。
私が今まで使っていたペンは安い物だし、急ぎの用事もあるので身近にあったもので済ませていた。
今後は少尉らしく身の丈に合った物を持つべきだし、少しでも憧れの人達の様になれるよう願いを込めて、じいちゃんにお願いしてみる。
貴「じいちゃん！私じいちゃんみたいな万年筆が欲しい。」
ｶﾞｰﾌﾟ「よし！行くぞ！」
私が欲しいものを言った瞬間、じいちゃんは待ちきれないといった様子で嬉しそうに商店街を歩き出した。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
