23 勘違い ページ25
クザンさんは大きな勘違いをしている。
誰かから何か言われたのか、はたまた自分の身に覚えがあるのか、
私がクザンさんに愛想を尽き、少尉に昇進したこのタイミングで部署を変わると思っているのだ。
そう気づいた瞬間、クザンさんがまるで捨てられた子犬の様に見えてしまい、
体の大きさとのチグハグさにフフッと笑いが漏れる。
あまりに可哀想に見えるが普段の鬱憤の仕返しついでに、勿体つけてネタバラシをする。
貴「ありがとうございます。
私少尉になりました。」
そう言うと、やっぱりと言う様にクザンさんはズーンと項垂れるので、また笑いが溢れる。
貴「でも、管轄は変わりませんよ？」
そう言うと、ピタリ、とクザンさんの動きが止まったと思うと、ガバリッと体を起き上がらせて私を見た。
その顔は本当に傑作で一生忘れることはないだろう。
鳩が面食らった顔をしていて、大将なのに実に情けないものだった。
ｸｻﾞﾝ「え、ちょっと待って。それ本当？」
本当ですよ。とにっこり笑って答えると、クザンさんは今度は安心した様なため息をついて机に溶けていた。
部屋の空気もいつもと同じ温度に戻った気がする。
でも、その姿を見てなんだか嬉しくなった。
ここまで悲しんでくれていたと言う事はそれだけ私を必要としていてくれたことになるからだ。
海軍に入ってまだ2年目で、たまに仕事の失敗もするし、女だからまだまだ弱くて、
最近は自信をなくしていたけれど、その不安を和らげるには十分な評価に見えた。
貴「これからもよろしくお願いしますね。」
と宣言して、クザンさんの肩をポンポンと撫でたのであった。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
