21 元部下 ページ23
センゴクside
彼女が悩んでいたのは、海賊によって傷つけられた子供のために何ができるかというものであった。
それは、正義感が強く、人を思いやるAらしい悩みであるが、
自分以外の問題まで抱えようとするその姿は、私の元部下ーロシナンテーを思い出させた。
ロシナンテは10年前に殉職した海兵で、8歳で海軍に保護された後、当時大将であった私の部下となった。
ロシナンテの兄は七武海で有名なドフラミンゴであり、自らドフラミンゴファミリーに潜入し計画していた悪事を止めようとしていたが、気付いたドフラミンゴによって命を落としてしまった。
自らの兄を止めようとする行為は半端な覚悟でできるものではない。
なのに当時は珀鉛病を患った子供を拾い、治す方法まで探す始末。
彼の様な正義感と優しさは貴重であるが、それに似ているAも自分の身も顧みないのではないかと不安になる。
自分の子供の様に思っていたロシナンテの訃報を聞いた時の悔しさは、10年経った今でも忘れられない。
Aまで厳しい道を背負わせたくない私は、子供達に直接関与しない方法を持ちかけた。
ｾﾝｺﾞｸ「子供のために何かしたいのなら、団体への寄付はどうだ？」
海軍以外にも様々な国で子供を支援する団体は多く、団体への寄付は海軍も推奨する最も浸透した慈善行為だ。
また、大人びているとはいえまだ16歳のAでは、
後先考えず子供の元へ走り出してしまう可能性があるので、比較的取り組みやすい解決法を提案してみる。
貴「なるほど、寄付ですか。
確かに療養は長期に渡りますからお金は必要ですもんね。」
うーんと手を顎に当てAは必死に何かを考えている。
しばらく経って勢いよく顔を上げたかと思うと、
貴「寄付やってみます！
でもやっぱり心の問題ってあると思うのと、
あの少女が気になるので時間があったら会いに行ってみます！
教えていただきありがとうございます！」
と元気よく挨拶してAは退出していった。
やはり子供と関わらず支援する方法では納得がいかなかったのか、
私の提案も虚しく、ロシナンテと同じ道を歩み始めていった彼女に頭を抱えた。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
