20 少女の悩み ページ22
センゴクside
貴「ところで、今回保護した民間人はどうしていますか？」
先程まで私のヤギに顔を埋め子供のように駄々を捏ねていたAは、
諦めたのか立ち上がり急に大人な表情になって聞いてきた。
ｾﾝｺﾞｸ「全員、施設へと預けられたよ。」
海軍は表立って海賊の逮捕を行っているが、本来は民間人の保護が目的で形成されている。
海軍が保護した者達は専門の施設へ預けられ、社会復帰に向けた療養を受けられるシステムになっている。
今回も従来通り施設へと引き渡された。
貴「よかった…」
それを聞いてAはホッとすると思っていたのだが、浮かない顔をしている。
普段から真面目で、例え仕事で問題があっても自分で解決していく彼女は、
仕事では真剣そのもので浮かない顔は滅多に出さない。
この様な顔をする時は大体がプライベートな悩みを抱えている時であり、
抱え込んで潰れてしまうこともあり得るので、心配になった私は聞いてみることにした。
ｾﾝｺﾞｸ「どうした？何か浮かない顔をしているが何かあったのか？」
すると彼女はポツポツと話し出した。
貴「今回保護した民間人に小さな女の子がいたんです。
でもその子、海賊に親を殺された挙句、心臓が悪くて、生きるのを諦めた顔をしていたんです。
その顔が頭から離れなくて…
その子の事を考えているうちに、海賊によって傷つけられた子供は今回だけじゃないですし、
数多くいると聞きました。
そういった子供達に私は何をしてあげられるのかなって、
ぐるぐると考えていました。」
頭の中でうまく整理できていないのか、それとも今回見たという少女の顔がよほどショックだったのか、
いつものAにしては弱気でまとまっていない言葉が返ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
