16 生きる意味 ページ18
恐る恐る会話を続ける。
貴「助けちゃダメだった？」
ｱﾅ「うん。わたし しんぞうっていうのがね わるいの。
おとなになるまえに しんじゃうの。
だから い「生きてても意味ない、って？」」
今度はアナと目が合った。
初めてちゃんと目が合った。
ガリガリに痩せ細って、髪はボサボサで、真っ暗な瞳をしていて、無表情。
じっと真っ暗な目を見ているとまた兄の姿と重なった。
「生きてていいのかな？」って膝を抱えていた兄のような姿はもう見たくない。
そう思い、私はアナをギュッと抱きしめた。
貴「生きてていいか悪いかなんて、そんなの、いいに決まってるよ。
生きる意味なんてこれから見つけていけばいい。
あなたはもう自由になったんだから！」
昔兄にも言った言葉をアナの心にも届く様に、さっきよりもギュッと抱きしめる力を強くした。
いきなり抱きしめてしまったせいで、アナは私の腕の中で体を強張らせていたが、
大丈夫、大丈夫だと、背中を摩り続けていたら、どんどんと力が抜け、
ポロポロと声を出さず涙を流していた。
死にたいなんて、こんな小さな子供が抱く感情にしては残酷すぎる。
きっと酷い仕打ちを受けて、あの牢獄ではないどこかへ救いを求めた結果が死で、
心のどこかでは死にたくないって気持ちがあると思う。
アナが我慢していた全てを出し切って欲しくて、あやす様に頭を撫で続け、
泣き止むまでずっと抱きしめた。
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モクレン(プロフ) - <みんと色様 貴重なコメント誠にありがとうございます。36、37話修正いたしました。 (4月1日 9時) (
レス) id: 127f12fb6b (このIDを非表示/違反報告)
みんと色 - 海軍本部のおつるさんは平仮名にしないと和ノ国のお鶴さんと被りますよ。 (3月29日 23時) (レス) @page46 id: 12fd651767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モクレン | 作成日時：2024年3月12日 15時
